祝!坂井瑠星騎手初G1制覇(秋華賞)

G1挑戦28回目にして、今日が初制覇だそうですが、今まで殆ど人気馬に乗っていなかったと思うので。。今日は3番人気のスタニングローズを完勝にみちびきました。もっと早くG1ジョッキーになってよかった騎手だと思います。何せ上手いですよ。今日の秋華賞も、道中はコースロスなく好位の外目を回り、4コーナーの回り方も実にスムーズ。背が高いので見栄えがしますが、それにしてもきれいな騎乗フォームです。ナミュールの武史騎手が4コーナーで外に振られたのと好対照。しかも直線はムチを左、右、左と2回持ち替え、まるで往年の岡部騎手のようなスマートな騎乗をこの大舞台でやるのですから。しかもしかも、力強い追い方は川田騎手にも引けをとらないほど。つまり、ルメールの技術と川田の技術のいいとこどりをしたような騎手ですよ。これはちょっと衝撃のレースでした。ちなみに今日の7レースでは、瑠星騎手はコントレイルの全弟のセンセットクラウドを勝利に導いてくれました(芝2,400M 1勝クラス)。この時も武史騎手が右ムチ1本のみだったのに対し、右、左とムチを持ち替え、ハナ差の勝利をもたらしてくれました。明らかに武史騎手より瑠星騎手の方が騎乗フォームもスマートだし、追いも上手ですね。瑠星騎手は超マジメと言われていますが、あのイケメンで、且つ本当に今時こんないい性格の人間は希少ですね。矢作厩舎所属ということで、遊び人そうな矢作師とは好対照な感じもしますが、さすがに矢作師の目にとまっただけの男ですね。非常に研究熱心なかんじがします、騎乗をみていても。もう騎乗技術だけで言えば、間違いなく超一流、日本のトップジョッキーといえます。今後はいい馬への騎乗機会も更に増えていくでしょうし、経験を更に積んで、G1もどんどん勝っていくのではないでしょうか。いつかはフリーになると思いますが、律儀そうなので矢作師との縁は大切にするでしょう。将来は矢作厩舎のコントレイル産駒に是非瑠星騎手をのせて、G1を戦ってほしいものです。秋華賞、ウィンエクレールをはじめディープ系は完敗(6着のキズナ産駒エグランタインが最高)でしたが、普段から応援している瑠星騎手が初G1で、本当におめでとうございます。スタニングローズはキンカメ産駒のラストクロップ、いやあキンカメ産駒やはり侮れずです。スターズオンアースは惜しくも3冠ならず、後方から狭い所を追い込んで3着でした。ルメールも1回もムチが使えず、悔やまれる競馬でしょう。しかし、ドゥラメンテ産駒も大したものです。種牡馬ランキングは未だディープが1位ですが、2位カナロア、4位ドゥラメンテ、6位にキンカメ、7位にルーラーシップと全般にはキンカメ系優勢です。ディープ系はキズナが5位に頑張っていますが、ドゥラメンテとはG1成績で大分差がついてしまいました。やはりディープ系の真の後継者は、コントレイルを待つしかないのでしょうか。

ディープ産駒では、今日の障害重賞レースである東京ハイジャンプ(J.G2)でゼノヴァースが重賞初勝利を飾ってくれました。元藤沢和厩舎で、平場の頃から見どころがあった馬。まだ5歳馬と障害馬にしては若いので、今後もオジュウチョウサンのように末永く活躍してほしいものです。とりあえず暮れの中山大障害が楽しみになってきました。

今月を少し振り返ると、スプリンターズSはメイケイエールとナムラクレアのミッキーアイル産駒ワンツーかと期待していたら、メイケイは謎の失速、ナムラも5着に敗れてしまいました。まあしかし、ミッキーアイル産駒はいい馬が多く、この2頭もG1を勝てる能力が余裕であると思います。次に期待です。ミッキーアイル産駒といえば、ピンハイが今日の秋華賞には抽選でもれてしまったようですが、前レースの西宮ステークス(3勝クラス)を楽勝しました。これはやはり秋華賞で見てみたかったですね。ミッキーアイル産駒は短距離馬だけでなく、ダート馬も、このピンハイのような距離を持つ馬も出ており、非常に魅力ありますね。もっといい牝馬をつければもっと成績が伸びるかもしれません。とにかくピンハイは、馬体重から未だ成長余地がありそうですし、今後の活躍が非常に楽しみです。

凱旋門賞は、日本馬の数だけ多かったですが、そろって惨敗という当然の結果となりました。これに関しては田原成貴氏がまさに正論を述べていた通り、馬場が違いすぎて、日本の芝を走らせている馬を連れていくのはかわいそうですよ。勝ち馬のアルピニスタがJC挑戦だとかいう話もありますが、来たら完敗するでしょうから、来ないのでは(笑)。むしろ日本のダート馬を送りこむ方が、少なくともフランスでは、良い結果が出るのではないでしょうか。ちなみに、私が前(7月4日)の記事で「(凱旋門賞に)行くだけ無駄と思いますが」と酷評したドゥデュースは、トライアルのニエル賞さえ勝てず、本番では19着と日本馬でも最下位でした。。

来週は菊花賞ジャスティンパレスとアスクビクターモアの両ディープ産駒に期待しますが、松山騎手が乗るガイアフォースが一番強敵ですね。鮫島騎手と田辺騎手ではちょっと見劣りしますが、馬の力は互角以上だと思うので、今年の最後のクラシックはディープの意地をみせてほしいものです。