レーベンスティールがセントライト記念を快勝!

今日のセントライト記念は、皐月賞馬でダービー2着のソールオリエンスがどれほど強い競馬をみせるかに限ると多くの人が考えていたと思いますが、リアルスティール産駒のレーベンスティールがそれをあざ笑うような快勝劇をみせてくれました。Jモレイラ騎手の手綱さばきは正にマジックマン。道中は内で完璧に折り合い、4コーナーを外に振られずに外から抜け出て、最後の中山の坂もなんのその、ソールオリエンスに1馬身3/4差(見た目には2馬身位にみえた)の快勝でした。上がり3ハロンもレーベンスティールが最速でしたが、この馬デビュー以来ずっと上がり最速を続けていますね。デビューの新馬戦がそのソールオリエンスとタイム差なしのクビ差2着、だが上がりは最速と、デビュー時からそん色ない動きをみせていたわけです。その後裏街道に進みましたが、ラジオ日経賞で後ろからの怒涛の追い込みも3着以来の実戦で、元々の素質にプラス成長を加わったのか、ソールオリエンスを圧倒したのはすごい事です。そういえば、父同士(リアルスティールvs.キタサンブラック)も同期のライバルでした。菊花賞ではタイム差なしのクビ差でリアルスティールが敗れましたが、その後古馬になって大きく差がついてしまいました(勿論リアルスティールもドバイを勝った位ですので立派な戦績ですが)。しかし、産駒同士の戦いで快勝してくれたことはディープファンとしては非常にうれしいです。もっともキタサンブラックも広義にはブラックタイドが全兄の為ディープ系とはいえる血統ではありますが。。

今年は、天皇賞秋がイクイノックスはじめ古馬の層が厚すぎるので、おそらくこの両頭は菊花賞に行くでしょう。昨年は、セントライト2着のアスクビクターモアが逆襲で戴冠しましたが、昨年のブログをみると、その逆襲を私も事前に予想できていました。しかし今年は、これだけ完敗すると、ソールオリエンスの逆襲は難しいかなと思います。勿論希望的観測もかなり入っておりますが。。レーベンスティールは、リアルスティールこそ1,800M専の馬でしたが、母系が非常に魅力的です。母の父トウカイテイオーというのが、シンボリルドルフスピードシンボリにつながる日本の由緒ある血統ですので、長距離も問題ないというか、むしろ楽しみになってきます。一方のソールオリエンスも、キタサンブラック×母父Motivator(タイトルホルダーと同じ)の血統なので、こちらも長距離はもってこいのはずです。しかしロマンにかけて、菊花賞ではレーベンスティールを応援します。大きな問題はモレイラ騎手が再度乗れるか、ですね!

もう一つ嬉しかったのは、先週の愛チャンピオンS(芝2,000M)でオーギュストロダンが勝ってG14勝目をあげたことです。キングジョージで大敗してどうかと思っていましたが、前回の敗因は馬場だけでなく、飛行機輸送に弱いとかいろいろあったようです。英ダービー(1着)の時は船で輸送したのがよかったらしいですね。それにしてもこの馬に対するAオブライエン師の評価が凄く高いのにはびっくりします。ベストホースの1頭である、昨年2月に初めて乗った時からすごいと思っていた、動きが実にスムーズで美しい、タフな馬だ等々。だからこそ、キングジョージ2000ギニーでの大敗にもめげず、馬を信じて立て直してきたのでしょうか。確かに見た目も漆黒の馬体と美しい眼は本当にいい馬と思います、まさにディープの最高傑作の1頭ではないかと、そのような馬がラストクロップのわずか12頭の中から出てきたことに、ディープ伝説に新たな1章が加わったのかと思います。

ただ、実際の(愛チャンピオンSの)レースは、先頭、2番手と同厩舎の馬に続いて3番手を走り、直線入口で2番手の馬が外に振れて内を開けてくれたので、オーギュストロダンには最高の展開になりました。まるで昨年のドバイシーマのシャフリヤールのようでした。それでいて、2着馬ルクセンブルグも勿論強い馬ですが、1/2馬身しか差をつけれなかったのは、強烈な強さというには今一つだと思いました。種牡馬価値を保つには、ここで引退するのが一番良いかもしれないとは思いますが、陣営は米国ブリーダズカップ・ターフへの出走を匂わせています。しかし苦手な飛行機輸送は大丈夫でしょうか。陣営は、レースの見た目以上にこの馬の強さを信じているのでしょうか。出走したらしたで楽しみではありますが、ディープ産駒の大敗はみたくないので、複雑な気持ちではあります。