今年最後のクラシックはディープ産駒!(菊花賞はアスクビクターモア)

アスクビクターモア強かったです。パドックからテンションが高く、初めての長距離輸送の影響かと心配しましたが、それであの勝ち方は強いですね。好スタートから、ハイペースで逃げるセイウンハーデス(最初の1,000Mが58秒7)の単独2番手をずっとキープ。この馬の理想形ではありますが、少しペースが速すぎてバテるかもしれないと心配でした。しかしながら、4コーナーでは楽な手ごたえでセイウンを交わしてはやくも先頭にたち、直線入口では大きな差をつけていました。やはりこの馬のスタミナはすごいですね。パトロールビデオをみても、最後までラチ沿いを真っすぐ走り切りました。最後ボルドグフーシュ(スクリーンヒーロー産駒)に猛追されましたが、頭の上げ下げでゴール前はハナ差前に出ていました。ゴール前は叫んでしまいましたが、天は最後にディープに味方してくれたようです。勝ちタイム3分2秒4はレコードタイムのおまけつき。馬場が良かったとはいえ、タフな阪神3,000Mでは出色の時計です。強靭なスタミナをもって先行し必ず抜け出すという、なかなかディープ産駒らしからぬすごい馬ですね。走り過ぎの反動が気になりますが、ゆっくり休んで疲れをとってもらい、春天の最有力候補として、ケガなく順調にいってほしいものです。ディープ産駒は菊花賞5勝目もクラシック競走24勝目も、共にサンデーサイレンスを超えて単独最多となったとのこと。それ自体今更驚きではないですが、ちなみに今までのディープ産駒菊花賞馬4頭は、全てその後G1レースを勝っていますので、アスクビクターモアも無事ならきっとやってくれるでしょう。というか、競馬のスタイルが非常に安定しており、キタサンブラックのようなタイプなので、同じような活躍をしてくれる可能性もなくはないですね。楽しみにしています。

もう1頭のディープ産駒ジャスティンパレスは惜しい3着でした。17番枠という大外にもかかわらず、鮫島騎手は早めに内にいれて好位でレースは進められました。ただ、馬群がごちゃついていたせいか、道中騎手が手綱をひいたりしごいたり、4コーナーで前が詰まったり、かなりバタバタしていたので、消耗が大きかったように思えます。それでも直線は抜け出したのですから、この馬もかなり強い競馬だったと思います。しかしパトロールビデオをみると、直線は左によれ気味で、その矯正している間は追えなかったように見えました。あの少しよれたところで左ムチに持ち替えて打っていたら、もっと効率的に追えていたような気もします。結局鮫島騎手はずっと右ムチしか使いませんでした。まあしかし4着馬には5馬身差をつけたので、ジャスティンパレスも力はあるところをみせてくれました。この馬は2,400M位が適距離なのでしょうか。とすれば、有馬記念などがあうかもしれません。いずれにしても春(皐月賞、ダービー共に9着)から大きな成長をみせてくれたことで、こちらも珍しいディープ産駒ですね。

ガイアフォースは見どころなく8着に敗退。そういえば、この馬の母父はクロフネだったのですね!それをもっと早く認識していれば、早めに見切ることもできたのですが。。セントライト記念のレースぶりから、アスクビクターモアの方が長距離適性はあるなと思ったものの、松山騎手だったのでやはり不気味な1頭ではありましたが、こう簡単に負けるとは、おそらく血統でしょう。キタサンブラック産駒の底力の問題もあるかもしれません。イクイノックスも含め非常に良い馬が出てますが、まだ現時点でのG1勝ち馬はゼロ。もちろん今後はまだわかりませんが。

そういえば、フジTVの競馬中継をみましたが、パドックでのアスクビクターモアの評価は皆そろって「あまり印象に残らない」。TVに出ている連中の馬を見る目などいい加減なものですが、本当にいい馬は馬体をよくみせないのに走るもの。アスクビクターモアは見事にそれらのニセ専門家たちに恥をかかしてやりました。その意味ではスカッとしました!

あと、イギリスの2歳G1レース(Vertem Futurity Trophy Stakes、1,600M)で、ディープのラストクロップの1頭であるオーギュスト・ロダンが3馬身1/2差の快勝をおさめ、通算4戦3勝(2着1回)となり、来年のダービー候補としてクローズアップされてきました。厩舎は、あのスノーフォールと同じAオブライエン。スノーフォールを酷使して故障(安楽死)させてしまったことは忘れられませんが、是非あの失敗を糧に今度は成功を収めてほしい。成功というのは、単に英ダービーをとるだけでなく、その先も古馬としてキングジョージ凱旋門賞を勝てるように、ゆっくりと(酷使せずに)育ててほしいという事です。