1~2月の総括(サウジCデーは日本馬祭り)

年初の時期は大きなレースも無いし、馬場が良くないせいか例年ディープ産駒が不調の時期なので、何も書く気がおきません。どうせ殆ど誰も見ていないし、実質備忘録のブログなので、いいのですが、それにしてもディープ産駒、不調です。この2か月で重賞を勝ったのは日経新春杯のヨーホーレイクだけ。ハーツクライロードカナロアの産駒が重賞を勝ちまくっているのに比べ寂しい限りですが、この反動は必ず出るぞ、つまり来月以降にディープ(系)のブレークがあるぞ!と自身に言い聞かせ、じっと耐えています(笑)。ルメールだって、この2か月国内で重賞勝ちゼロだったのが、昨日のサウジCデーで何と4勝しましたから。いずれもG3とはいえ賞金のレベルからして実質G1ですので、1日でえらく稼いだものです。グリーンチャンネルで見ていましたが、いくら全て有力馬にのっているといっても、プレッシャーもある中での4勝というのは凄いとしかいいようがないです。まずはネオムターフカップ(2,100M、1着賞金90万$)でのオーソリティ。初めてかと思われる逃げをうち、直線も余裕で1馬身1/4差で振り切りました。やはりこの馬、左回りの中距離は本当によく走りますし、古馬になって強くなってきました。オフフェーヴルはとにかく凱旋門賞2年連続2着と、海外での強さが目立ちましたので、その子供も海外で強い(マルシュロレーヌも含め)のは納得です。しかし、このオーソリティをJCで楽に振り切ったコントレイルの強さがどれだけのものか、改めて思い知らされます。

次が1351ターフスプリント(1,351M、1着賞金90万$)という中途半端な短距離戦でのソングライン。こちらは先行抜け出しで、着差はクビですが堂々たる王道の勝ち方、強い勝ち方をみせてくれました。キズナ産駒なのでこれは嬉しかった!キズナ自身がニエル賞勝ち、凱旋門賞も4着と海外で実績を残したので、子供も海外に強いですね。ディープボンドもフォワ賞を勝ちましたし。海外に強いということは、環境の違いにも動じない、強いハートを持っているということでしょう。今年は未だ国内ではキズナ産駒の重賞勝ちはなく、3歳馬も低迷気味ですが、ソングラインがこの実質G1を勝ってくれて非常に嬉しいです。この馬も本当にサウスポーですね、左回りは必ず走る!これだと、ビクトリアマイル→安田記念路線でも主役をはれるでしょう。

以上の2頭はレース前から有力馬でしたから、嬉しかったですがそれほど驚きはしませんでした。しかし3レース目のレッドシーターフH(3,000M、1着賞金150万$)は驚きました。ステイフーリッシュはあくまでもマルシュロレーヌのお供に連れてきただけで、ここでは用なしだろうと思っていましたので。なぜかって、3歳春に京都新聞杯を勝って以来4年近く勝っていない馬でもう7歳馬、しかも昨夏の札幌記念では心房細動で競争中止した位ですから、その後も走っていましたけど、もう目はないだろうと思っていました。しかも、日本では菊花賞(11着)で1回しか走った事のない3,000M 以上を、しかも初の斤量60kgで走るというのですから、期待しろと言う方が無理では?しかも、G1昇格したサウジCは別格として、他のG3レースではこのレースだけ賞金が高く、日本で言えば天皇賞並みの1着賞金ですが、おそらくこれは長距離レースを比較的重視する英国勢(豪州も含めると英連邦勢)への忖度かと思っていました。今回も、昨年の愛セントレジャー(G1 2,800M)を勝ったソニーボーイリストンという馬など欧州長距離での実績馬が出ていましたので、かなり難しいだろうと思っていました。しかし矢作師の事前のコメント「(一番自信があるのは)ステイフーリッシュ」や、ルメールの「今回乗る馬の中で状態が一番いいのはステイフーリッシュ」を聞いていたので、少しは善戦するのかなあ、位で全く期待をせずに見ていました。スタートから行く馬がいないせいか、またルメール、ハナに立ちます。しかしかかるところは全くみせず、淡々とした逃げ。いつ捕まるかとみていましたが、直線に入っても他の馬がしごいているのにステイフーリッシュは楽な手ごたえで差は開くばかり。最後は4馬身1/4差。なんだこれは!すげえ!と、高笑いしてしまいました。あまりにも衝撃だったので笑ってしまったのですが、競馬をみていて最後に笑えるなんて、滅多にあることではありません。勝ちタイム3分6秒1は3,000Mとしては日本でも水準の時計と言えますので、日本の馬場に近い硬めの芝なのでしょう。そうであれば、確かに昨今、欧州馬はスピードにおいて日本馬に絶対的に劣りますので、ステイフーリッシュでも勝てた、という事なのでしょうか。しかしあの強烈な勝ち方は、それだけではないように思えました。要するに、7歳にして本格化(覚醒)した可能性があるという事です。普通では考えられませんが、なんせ父のステイゴールドが、7歳にしてドバイと香港と海外2勝し、大覚醒した馬であった事を思い出しました。しかし、フーリッシュはゴールドの実質的ラストクロップであり、もう7歳、ステゴ時代も静かに終焉を迎えると思っていたのですが。。そういえば今月の京都記念でも、同期のアフリカンゴールドが勝ちました。こちらも逃げ切りの重賞初勝利でしたね。この時は「ステゴ、しぶといな。ディープ産駒も見習えよ」位にしか思っていなかったのですが、まさかこちらも覚醒ではないでしょうね。。フーリッシュの次走はドバイ(G2のゴールドカップ 3,200M?)のようです。1か月後、また楽しみですね。ルメールが乗るようであれば、更に楽しみですが。ゴールドも、武豊騎手が乗ってから覚醒したような憶えもあります。やはり、自身が持っている素質プラス外部環境(騎手、厩舎)ですね。ゴールドも、あの池江泰郎厩舎でしたから。フーリッシュも、今をときめく矢作厩舎です。矢作厩舎は、リスグラシュー、ラヴズオンリーユーと既に2頭覚醒馬(名馬)を出していますが、このフーリッシュも覚醒3頭目となるか(今日の中山記念を逃げ切ったパンサラッサも矢作厩舎ですね、こちらも少し不気味)。ディープ関係ではないものの、スティゴールド系も実は嫌いではないので(その話をしだすとまた止まらなくなりますので後日にでも)、楽しみではあります。そんなこんなで、(オーソリティも含め)ステイゴールド系の血が世界で覚醒(?)するなど、やはり競馬は奥が深いです。

なお、メインのサウジCも深夜に生中継で見ましたが、マルシュロレーヌ残念でした。テーオーケインズは馬群にのまれて早くから後退してしまいましたが、マルシュは外目を走ってBCディスタフと同じような感じで上がっていくようにみえました。ところが直線でなぜかスミヨンが内に入れ、窮屈そうに走っていました。コーナーで外を回って、直線で内に入れるって、ありか??直線そのまま外でよかったのに!と思った人、多かったのでは。そもそも、なぜルメールでなくスミヨンに頼んだのでしょう?私はスミヨンよりルメールの方が圧倒的にうまいと思います。フランスではスミヨンの実績が上ですが、所詮欧州競馬なんて賞金が低く2流ですから(凱旋門賞など一部のアラブ・マネーが入ったレースは例外的)。まあ、そもそも矢作厩舎とルメールはあまり縁がなかったですから、今回の選択は仕方ないのかもしれません。少なくともフーリッシュは、ルメールに乗り続けてもらうと、面白いのですが。