グランアレグリアがマイルCSを連覇

さすが!としか言いようがないレースでした。スタートでは出遅れではないものの少し後手を踏んで中段の内でじっと我慢。しかし折り合いはばっちりでしたね。4コーナーでは外に出せましたが、ハイペースではないのに大分後ろだったので一瞬大丈夫かと思いましたが、それも杞憂でした。直線は怒涛の追い込みで、強い3歳馬も問題にしませんでした。前回の天皇賞(3着)から中2週の関西遠征ということを嫌気してか紙面では本命印がやたら少なかったですが、全く何のその、マイルでは王者であることを見せつけてくれました。これでG16勝目、しかもうち5勝が古馬になってからという、異色のディープ産駒でした。勿論ディープ牝馬は牡馬よりも古馬で活躍するのですが、それにしても、あのジェンティルドンナでも古馬になってのG1は3勝(うち1勝はドバイ)でしたので、その異色さ、凄さがわかります。その意味では、マイラーではありましたが最強のディープ産駒といってもいいでしょう。日本の競馬界へ半端ない貢献をした藤沢厩舎が、最後に(久々に)スーパーホースを作り出してくれたことも、一つのドラマですね。本当に藤沢厩舎だからこその、グランアレグリアだったのでしょう。これが牡馬だったら、凄い種牡馬価値になっていたでしょうが、牝馬であっても、シーザリオのように毎年活躍馬を出してくれるかもしれないという楽しみはありますね。有終の美を飾ってくれ、ディープの価値を更に高めてくれたグランアレグリアには感謝の気持ちしかありません。走りも本当にきれいな走りでしたね。若馬の時は外から牡馬にかぶせられると失速してしまったりしましたが、古馬になってからは強烈なパワーをも身に付けましたが(藤沢厩舎の成せる技かと)、ザ・サラブレッドのようなきれいなフォームは今日も最後までみせてくれました。一番印象的だったのは去年の安田記念でした。アーモンドアイが必死で前脚を高く上げる飛ぶようなフォームで追い込んでくるものの、あの綺麗なフォームですいすいと2馬身半もアーモンドをちぎって勝ったシーンは忘れられません。普通に走ったアーモンドに完璧に勝った馬は、他にいませんからね(有馬記念を例外として)。

 

2着シュネルマイスターは、今日もしぶとく伸びてきましたが、さすがにグランとは役者が1枚以上違いました。外に出せたらという声が多いようですが、あのグランの鬼脚は出せなかったでしょう。びっくりしたのは3着のダノンザキッド。もう終わった馬だと思っていたのですが、直線グランにはあっという間に交わされたものの、追いすがるように伸びてきました。パドックから発汗しており今日も無いだろうと思っていましたが、失礼しました。5着のホウオウアマゾンにも驚きました。逃げて、直線でサリオスに一旦かわされたものの、差し返しての5着(サリオスは6着)。坂井騎手が直線で諦めずに追いまくったファインプレーですね。前にも言いましたが、坂井騎手の追い方はすごくいいと思います。もっといい馬に沢山のせてあげたいものです。

 

今日のマイルCSの前のレースである阪神の10レース武田尾特別(2勝クラス1800M)でプログノーシスという3歳牡馬が強烈な勝ち方をしました。着差こそ2馬身半ですが、出遅れて最後方からの競馬にもかかわらず、直線でディープのような走りをみせました。上り3ハロンは32秒8ですが、2番目が2着馬(キズナ産駒)の33秒5、3番目が34秒4ですから、1頭だけ別次元の脚を使ったことがわかります。これは今後楽しみですね。ただ、今日はなぜかメンコをつけていましたが、前回は付けていなかったので、要らないのでは?一流馬にメンコは不要ですよ。中内田厩舎はダノンプレミアムの時もつけたり外したりしていましたが、一流馬に育てる為にはなるべくつけないで走らせるべきでしょう。ちなみに中内田厩舎-川田コンビの3歳馬といえば、もう1頭エスコーラがいますね。こちらも楽しみですが、今日のプログノーシスエスコーラ以上の強烈な印象でした。中内田厩舎から、しかもディープ牡馬で、古馬で活躍する可能性のある馬が出てくるのは二重に意外ですが、しかしこの厩舎現在勝ち星では首位を独走中で絶好調です。今後の密かな楽しみにしておきます。

 

来週はいよいよジャパンCです。コントレイルにとっては楽な相手がそろったようにみえますが、ずっと晴れが続いていた反動が怖いです。馬場だけは、最後は言い訳できないパンパンの良馬場で走らせてあげたいものです。もっとも天気だけは神頼みですが。