ダービーはシャフリヤールが雪辱!

昨年のコントレイル勝ちからこのブログを書き始めて丁度1年、社会はコロナを理由とした統制化が強まるばかりですが、1年の経つのは早いものです。

シャフリヤール、ペルシャ語で「偉大なる王」を意味するとのこと(競馬会サイトより)。それに相応しい走りっぷりではありました。今日出走の17頭の中で最軽量の444kgでしたが、直線は素晴らしい切れ味で、前が開くまでに時間かかりましたが、開いてからは、先に抜け出して3馬身位差がついていたはずのエフフォーリアをハナ差つかまえました。ゴール前は絶叫してしまいましたが、写真を見ると確かに出ています。鼻差でも勝ちは勝ち、嬉しいディープ産駒のダービー単独トップ7勝目且つ4連覇。今日の福永騎手は先週のオークスようにバタバタせず、外に馬を引っ張ってから、外が開くのを待って追い出しました。道中はエフフォーリアの直後に付け、4コーナーではほぼ並んでいたのですが、なぜか内のエフフォーリアの進路ががらっとあき、一方外のシャフリヤールは前がつまり、その間に差が広がってしまいました。それを追いついて最後交わすのですから、上り3ハロンは両馬とも最速タイの33秒4(3着ステラヴェローチェも同タイム)といっても、実質シャフリの切れ味がかなり勝っていたとは思います。馬格は全兄のアルアインよりないものの、こちらの方が体が柔らかそうだし、強いですね。藤原厩舎なのでメンコをしているのが残念ですが、まあ仕方ない。。しかし藤原厩舎といえば2歳時はレッドベルオーブがエースでしたが、こちらシャフリがいつの間にか代わっていました。エフフォーリアの鹿戸厩舎も、当初はランドオブリバティが注目でしたが、あっという間にエフフォーリアがスターダムに上ったところも、似ていますね。

エフフォーリアもやはり強かったです。ただ、スタート前の輪乗りで発汗していたので、これは付け入るチャンスありと思いました。やはり、シーザリオ系の入れ込む血統がイザという時に出るのでしょうか。パドックでは一番この馬が落ち着いていたのですが、不思議なものです。サートゥルナーリアもそんなところがありました。馬体も、名馬としては少し大きすぎますよね。キタサンブラックのような大きくて且つ無事是名馬もおりますが。。まあ、道中はスムーズに内を先行し、直線も前がぽっかりあいて、全く不利のない競馬をしていました。武史騎手は運ももっているようです。あえて言えば、前が早くあいたことで追い出しのタイミングが結果的に少し早くなったかもしれません。サトノレイナスが早めに先頭にたっていたので、それをつぶす必要もあったでしょう。それが最後にシャフリにつかまった原因かもしれません。それにしても父エピファネイヤも、その父のシンボリクリスエスも、母の父のハーツクライも、3頭ともダービー2着だったのですね、言われてみれば。この馬も2着とは、血統とは不思議なものですが、いずれにしてもダービー2着は実力がなければこれません。しかも、前半がスローのうえでのダービーレコードでしたから、レベルとしては高いレースだったと思います。残り1,000Mからデイープモンスター(武豊)とアドマイヤハダル(デムーロ)が進出して急にペースが上がり、そこからずっと11秒台、400~200Mは10秒8でしたから、かなりきつい競馬だったでしょう。それを最後の1ハロンで別格の脚を繰り出して差し切ったシャフリは相当強いといえるのではないでしょうか。昨年のコントレイルのような圧倒的な強さはないものの、昨年よりもきついレースだったとは思います。まあ、これだけダービーを勝ちまくるディープ産駒の底力は本当に恐ろしいものがあります。共同通信杯であれだけ完敗したエフフォーリアに競り勝つなんて、なかなか普通は想像し難いですからね。あとは、ダービー馬らしく、古馬になっても同世代のトップとして君臨しつづけてほしい。ディープ牡馬に大きく欠けているのがそこですので。シャフリヤールはどうでしょうか。

そういえば福永騎手、毎日杯ではシャフリではなく、ルペルカーリア(モーリス産駒でシーザリオの子)に乗ってミソをつけました。あそこで勝ってくれた川田騎手への感謝の一言が今日のインタビューでは無かったなあ。。また、ダービー3勝は凄いですが、ワグネリアンよりも昨年のコントレイルが彼を超一流の騎手へと脱皮させてくれた恩人(馬)ではないですか。コントレイルへの感謝の言葉もなかったのは、残念でした。勿論今日の福永騎手は、オークスのリベンジを果たしうまく乗ってくれたとは思いますが、恩人への感謝を忘れてはいけませんね。自分自身も改めて反省した次第です。

ステラヴェローチェは皐月賞に続き3着。道悪専用馬と思っていましたが、この早い時計でも来るのですね、この馬も今後怖いですね。クロノジェネシスのようになったら、どうしよう(笑)。4、5着はグレートマジシャンとサトノレイナスで、ディープ産駒は1,4,5着。ステラヴェローチェも母父ディープなので、エフフォーリア以外の上位4頭はディープ系ということでした。サトノレイナスは、キレで勝負すべき馬が前すぎました。ディープモンスターとかアドマイヤハダルが3コーナーから上がってきた時に一緒にかかっていってしまったようです。直線の長い東京で、直線入口でほぼ先頭でしたから、いかにも早すぎました。今までマイルまでしか経験がなかったにしても、もう少し控えられなかったのかなと思います。スタート後に大外から1コーナーで早くも前にとりつくレースぶりも、先週のオークスのステラリア(川田騎手)の焼き直しのようでした。弘法も筆の誤り、でしょうか。ただ、シャフリヤールとサトノレイナスの位置が逆転していたら、結果も逆転していたかというと、そこまではわかりませんが。。

バスラットレオンは、今回は転ばずに出てくれて、逃げてくれたので悔いはないでしょう。あえて言えば、スローに落とさずにもっとハイペースで逃げて後続に脚をつかわせる手もあったかもしれませんが、それはそれでもっと大バテしたかもしれません。この馬はやはりマイル前後が適距離なのかもしれません。キズナ産駒の初G1は、いつになるでしょうか。この馬も素質的にその資格は十分あると思うのですが。

来週は安田記念。グランアレグリア中2週で大丈夫でしょうか。是非マイルG1を総なめにしてほしいです。怖いのはやはり6歳とはいえステゴ産駒のインディチャンプですね。天気も今週同様、もってほしいものです。あ、サリオスも出てくるなら、勿論怖い1頭です。