天皇賞(春)はディープ系の1、2、3!

阪神の3,200Mはタフなレースになったようです。乗替り坂井瑠星騎手(ケガをしたのでかわいそうですが、大一番を前に落馬なんて北村友騎手らしい。。)のディアスティマが刻んだペースは最初の5ハロンが59秒8で前回の松籟ステークスの59秒4より0秒4遅かったのですが、次の5ハロンが1分1秒5と前回の1分3秒7より2秒2も早かったです。息をつく間がなかったことでしょう。さらに3度目の5ハロンは、カレンブーケドールが3~4コーナーで早めに馬体を併せにきたこともあり1分0秒4とまたペースが上がりました。最後の1ハロン13秒0がこのレースのきつさを物語っていますが、それでもディアスティマは残り1ハロンまではカレンブーケドールと並んで先頭を頑張っていました。負けたとはいえ6着、デアスティマやはり相当強いですね。ユニークな長距離の逃げ馬として今後も楽しみです。長距離のレースが少ないのは残念ですが。しかしカレンブーケドールが早めにつぶしに行かなければ、ディアスティマの逃げ切りだった可能性もあります。あれだけ早めにいって、粘って3着。牝馬にして重賞未勝利とは思えない、2マイルの競馬での堂々たる結果、カレンも非常に強い競馬をしました。

 

そのように、ディアスティマとカレンブーケドールという2頭のディープ産駒が大いにレースを盛り上げ、レベルの高いものにしてくれましたが、結果的には前回の記事で希望した通りディープボンドとワールドプレミアの一騎打ちになりました。ワールドプレミア、福永騎手の騎乗は見事でした。内枠を活かしたのもありますが、向こう正面までは内側でじっとし、3コーナーから外目を進出、直線はアリストテレスを外からねじふせ、次にディープボンドも競り落としました。パドックでは上下に激しく首をふり、相変わらずうるさい馬だなあ、気性面の成長がないのかなと心配でしたが、あのような気性の馬でぴたりと折り合いをつける福永騎手の手腕に感服です。しかしこの馬自身の長距離適性も半端ではないようです。2,400~2,500Mではあと一歩伸びきれない馬が3,000Mを超えると生き生きとして伸びてくるところは、まさにスティヤーですね。全兄のワールドエースは2,000M以下で実績を残したのに、不思議ですが。とにかく、これでフィエールマンの2連覇に次いでディープ産駒の春天3連覇となりました。その前は中々勝てずディープ産駒のスタミナの無さを嘆いていましたが、それがうそのような今日この頃です。というか、最近長距離はディープ産駒の独壇場になっていませんか??菊花賞春天も3連覇。よくわかりませんが、長距離レースは好きなのでディープ(系)の活躍は嬉しいかぎりです。古馬のディープ牡馬がG1を勝ってくれたのも、嬉しいことです。

 

ディープボンドは惜しかったですね。またもキズナ産駒のG1初勝利がお預けになりました。しかしこの馬も実にいい競馬、というかいつものディープボンドらしい競馬をしました。スタートから好位の外側をすすみ、前に馬をおかなくても手綱ぶらんぶらんで折り合う所が、レースセンス抜群です。さすがに4コーナーでディアスティマとカレンブーケドールの熾烈な争いに少しおかれましたが、そこで諦めることなくまた盛り返し、かわされたワールドプレミアにもくらいついての3/4馬身差2着。3着のカレンには2馬身差をつけ、2頭のマッチレースでした。本当にこの馬の安定したレースぶりは素晴らしい!キズナ産駒は走りっぷりが気持ちいい馬が多いですね。キズナ自身は追い込み馬だったのに、不思議なものです。またキズナ春天は2度挑戦したものの3着にもはいれず距離の限界を感じさせられましたが、その子供(ディープボンド)は長距離の鬼のような走りをするのも、面白いですね。ワールドプレミア共々次は宝塚記念でしょうか。宝塚では、長距離専っぽいワールドプレミアよりディープボンドの方が面白いかもしれません、特に馬場が渋ればより面白いですね。しかし馬場が渋るとクロノジェネシスやレイパパレという強い強い牝馬がいるので、競争は熾烈ですが。。いや本当に宝塚は、大阪杯組、春天組、そして海外組(ラヴスオンリーユー、クロノ、デアリングタクト、グローリーヴェイス??)が合流する大変なレースになりそうです。コントレイルにとっても試練が続きます。

 

4着のアリストテレスは、今回は前回(阪神大賞典)よりは大分落ち着いて、ルメールが上手にレースを進め、向こう正面では絶好の位置を単騎で進み、これは「またルメールか」と一瞬思いましたが、直線で力負けしました。ディープボンドにはこれで2連敗。キズナ、エピファネイヤの同期の産駒成績の戦いは今後も続くでしょうが、古馬キズナ産駒が圧倒したのは気持ちがいいです。もちろんキズナ産駒はG1勝ちでエピファネイヤに差をつけられていますので、とにかく初勝利が待たれます。

 

来週もG1にキズナ有力馬がでます。NHKマイルカップのバスラットレオン。展開次第ですが、藤岡佑騎手と相性がよさそうです。少なくとも同厩舎のホウオウアマゾンよりは強いでしょう。そうなると、バスラットレオン>アーリントン組という図式なので、結構楽しみです。それと、ソングラインも登録しているのですね。桜花賞ではスタートで他馬とぶつかって競馬にならなかったと池添騎手が嘆いていたので、相当な不利だったのでしょうか。その意味で今回巻き返しがあるかもしれません。バスラットレオンとソングラインのキズナ・ワンツーだったら、最高です。

 

あと、京都新聞杯(中京)にディープモンスターが登録しています。皐月賞から中2週ですが、昨年ディープボンドも同じローテで勝ったので、出てくればこれも楽しみです。中京ではいい勝ち方をしていたし、2,200Mもあっていそうです。もう一つ、前走2,400Mのレース(条件戦ですが)を4馬身差で勝ったレッドジェネシスも、川田騎手が乗ってくるなら楽しみです。

 

新潟大賞典金鯱賞3着以来のポタジェが出てきます。川田騎手は日曜は東京ですから(グレナディアガーズ)誰が乗るかにもよりますが、来週も重賞はディープ系でそこそこ楽しめそうです。