牝馬が席巻!有馬記念及び2020年

結局今年の中央競馬古馬G1で勝った牡馬は天皇賞春のフィエールマンだけでした。あとは全て牝馬。本日もクロノジェネシスが、夏冬のグランプリ連覇を遂げました。スローとはいえ、フィエールマンがかかり気味に先行し、それをクロノが追う展開に。これではフィエールマンの方は苦しいですが、それでも最後までよく粘りました。そこに異次元の脚で突っ込んできたのが2着サラキア。4着ラッキーライラック、5着はワールドプレミアとカレンブーケドールが同着。よって変則的ですが5着までの6頭の内4頭が何と牝馬でした。昨年のリスグラシューの強さもショッキングでしたが、今年はまた違う意味で、これだけ牝馬に上位を独占されると、茫然としてしまいます。しかしサラキア惜しかった。松山騎手はじっと我慢の後方待機で、あと50M直線が長かったら勝っていましたね。ディープ産駒でこれだけ大成長をとげた馬は、牝馬でも初めてかと思います。エリザベス女王杯、有馬とも勝ちきれなかったのは残念ですが、上り3ハロンは別格の脚色でした。半弟のサリオスも、この姉の覚醒をみて、大事に使うようになるでしょうね。サリオスはハーツ産駒だけに、更に覚醒するのではないかとびくびくものです(笑)。

フィエールマンは、個人的には引退して早く種牡馬になってほしいです。G1を3勝もしたのだし、ディープの後継種牡馬と少しでも言えるのは現状キズナだけなので、早くおろしてほしいです。春天を3勝しても、種牡馬価値にもはや変わりはないでしょうし、かといって中距離は層が厚い(コントレイル、クロノジェネシス、そしてもしかするとグランアレグリア参戦の可能性も)ので勝ちは無理でしょう。それにしても、重賞勝ちも京都3,000M以上のG1のみで、共に僅差の勝利。だけど道中結構かかる、不思議な馬。やはりルメール騎乗でなければ、ここまでの実績は残せなかったでしょう。でも、馬体は素晴らしいと菊花賞の時から岡部元騎手は誉めていました。種牡馬として、どれだけ活躍できるか。キズナは超えられるか。他のディープ牡馬と違って古馬になっても活躍し続けたので、楽しみではあります。

 

今回の有馬で2、3、5着の為ディープ産駒は、土曜日のダノンファンタジーと合わせて結構賞金を加算し、2020年の獲得賞金は過去最高の79億5千万円までいきました。勝っていたら80億円超でしたので残念でしたが、すごい記録です。リーディングサイヤー(賞金1位)はこれで9年連続となりましたが、サンデーサイレンスは13年連続でしたので、あと4年1位を続けられるか。。ちなみにサンデーは2002年の死後急速に成績が上がり、3年後の2005年に(ディープが3冠を取り、ハーツクライが有馬を勝った年)92億円まで行きましたが、ディープはどうでしょうか。数々の記録を作ってきたディープなので、来年も更なる産駒の活躍を期待したいものです。ちなみに2歳サイヤーランキングでは今年で10回目の1位(2010年以来、2015年のみダイワメジャーの2位)となりました。サンデーの記録は永遠に破られないと思っていたのに、それに迫るディープはやはり改めて凄いですね。

 

今年はコロナ禍にもかかわらず競馬を毎週見ることができました。コロナの集団感染が無かった競馬界の方々の努力に感謝しています。しかし中央競馬の売上げ、年の大半はオンラインのみだったのにかかわらず、前年比3%増加したのですね。2頭の牡馬牝馬無敗の3冠馬が生まれ、アーモンドアイが9冠を達成し、グランアレグリアが無双の強さを示すなど、強い馬が強い競馬をした年だったのも大いに売り上げに貢献したのでしょう。無観客あるいは制限付き観客の静かな環境が、強い馬を順当に勝たせたのでしょうか。また海外遠征がめっきり減り強豪がそろって国内で競馬をしたことも中央競馬が盛り上がった要因ですね。しかし、強い馬はやはり本来は海外の高額賞金レースに挑む選択肢があるべきですし、早くコロナ前の社会に戻ってほしいものです(戻るかな)。来年は、古馬ではコントレイルの成長及び更なる活躍に期待です。ジャパンCで鍛えられたので、きっと更にブレークするでしょう。明け3歳馬については、まだ見ぬ救世主の誕生に期待です。