強烈なグランアレグリア

先週に続き、ディープファンにとって嬉しい週末となりました。グランアレグリアの体重が12kg増と発表になった時は、少し驚きましたが、レース前も落ち着いていて完全に大人になった印象。ゲート入りをビアンフェが拒み時間がかかり、スタートも出負けして後方2番手。終始ルメール騎手の手綱が動いており、直線でも後方のまま。そこまでは、ハラハラしてみておりました。しかし、そこから大外を追い上げる脚が別次元で、あっという間に抜け出し、最後はダノンスマッシュに2馬身差。スプリンターズSで2馬身差以上つけて勝ったのは2006年の豪州馬テイクオーバーターゲット以来14年ぶり、しかも後方一気ですから、すごい記録です。ダノンスマッシュはトライアル専と思っていましたが、今日は川田騎手の完璧な騎乗で来ました。しかし、グランと比べると大人と子供の様な力の差がありましたね。これで対グランは3戦3敗。得意の1,200M でこの結果では、どうしようもないですね。

 

やはりテンに行けないところをみると、本質的にこの馬はスプリンターではないですね。それでも、力の違いがありすぎました。次はマイルチャンピオンSでしょうか。。天皇賞秋でもいけるような気はしますが、多分無理はしないでしょう。それにしても牝馬で500kg台と、コントレイルとはタイプが違いますが、藤沢厩舎らしいスケールの大きい名馬ですね。ディープ産駒に初めてスプリントG1をもたらしましたし、アーモンドアイや並み居る牡馬を蹴散らし、歴史に名を残す晩年のディープ産駒の一頭となるでしょう。コロナさえなければ、香港マイルでもいってタイトルを総なめにしてほしいところ、残念です。

 

それにしても今週はディープ祭り、注目すべき馬が勝ち上がりました。まずは土曜日2歳オープン芙蓉S(中山芝2,000M)の良血ランドオブリバティ。2番手追走から直線楽に抜け出し2着に3馬身半差。ゴール後暴れたり幼さもありますし、まだこの時点では他の馬に比較して強いか弱いかわかりませんが、2戦目で強い競馬をみせた馬は将来出世することが多いので、楽しみではあります。ただ、三浦皇成騎手には申し訳ないのですが、もう少し上手な騎手に乗り替わってほしいと個人的には思います。

 

同じく土曜日の秋風ステークスでは3歳牝馬インターミッションが差し切り勝ち。桜花賞オークスでは惨敗しましたが、休み明けに少し成長して見事復活をとげました。ディープ牝馬は本当に根性がありますね。

 

今日は、中山8Rの2勝クラスダート1,800Mをゼノヴァースが勝利。前回初ダートを2秒の大差をつけて勝ったので、今日もそれなりのパフォーマンスを期待しましたが、今日は追いつめられて首差での勝利。3着には5馬身差と強い走りでしたが、やはりディープ産駒にダートは難しいのかなと思いました。次の9Rサフラン賞(2歳牝馬オープン1,600M)は、サトノフラッグの全妹サトノレイナスが完勝でした。直線で内からすっと割って出たルメール騎手の手綱さばきが光りましたが、上がりも断トツの最速で、将来性は十分にありそうです。昨日のランドオブリバティといい、この時期の中山でディープ産駒2歳馬が強い勝ち方をするのはあまり見たことがないので、不思議な感じです。来週の東京開催以降もディープ旋風が吹き荒れるかもしれませんね。

 

中京は9R長久手特別(2勝クラス芝2,000M)で、ワグネリアンの全弟カントルが2番手から粘り込み勝ち。そして10Rの白川郷S(3勝クラスダート1,900M) 、キズナ産駒のハギノアグレリアスが驚くべき強さをみせました。タイム(1:56:3)は前日に同コースで行われたシリウスSより1.5秒も早い。しかもハギノアレグリアス、鞍上の岩田望来騎手はムチを一度もたたかなかったはず(みせムチだけ)。それでいて、上り3ハロンは36.0秒とシリウスSの勝ち馬カフェファラオより0.9秒も早い!2着馬には1馬身1/2差ですが3着馬はその7馬身後ろ。これはダートのG1も勝てるのではと思うような勝ちっぷりでした。

 

そしてグランアレグリア。G13勝目ですが、全て2馬身差以上の勝利。はまるときの破壊力は凄いですね。この日ルメール騎手は5勝。うち3勝をディープ産駒であげました。このところ「どうしたんだ」と思うようなふがいないレースを続けてきたルメールさんも、ようやく波に乗ってきたようです。波に乗ってくると、ルメール手が付けられませんね。来週は毎日王冠でサリオスですか。どんなレースをするのか、アンチハーツファンとしても、楽しみではあります。