ハーツクライ産駒の“覚醒”について

宝塚記念に出走する馬の多くが今朝1週前追いきりを行ったようです。サートゥルナーリアがラスト1ハロン11.2秒と驚異(脅威)のタイムを出したようですが、この馬はいつも追い切りはすごく走りますね。追い切りだけ見ると、7冠馬いや8冠馬にもなれそうなのですが、本番ではそうでもないですね。この馬はスロ専(スローな流れの時だけ強い勝ち方をする)だと私は思います。スローでないと、皐月賞ではよれて他馬(ヴェロックス)にぶつけてよれよれの頭差勝ち、あとは全て完敗しています。それはやはり、ロードカナロア産駒による距離の壁ではないかとみています。宝塚記念は季節柄馬場がよくない事も多いし、流れもきつくなることが多いので、得意な右回りとはいっても、勝つまではいかないと思います。でも、サートゥルが人気を集めてくれたほうが、私にはありがたいです。グローリーヴェイズに配当がつくし、騎手も気楽にのれますので。

昨年の宝塚はリスグラシューの強さに驚きましたが、この馬が初のG1を制したのはその前(一昨年)のエリザベス女王杯で、鞍上はマジックマン、モレイラ騎手でした。だから、私はリスグラシューを最初に覚醒させたのはモレイラ騎手だと思っています。その後宝塚でレーン騎手が更に大きく覚醒させました。今回のグローリーヴェイズも、昨年の香港ヴァーズで初G1をもたらし2着に3馬身半差をつけて大覚醒させてのは、モレイラ騎手でした。そして、その覚醒した馬に今回宝塚でレーン騎手が乗るところまで同じですね。ただし、リスグラシューはその間(エリザベス→宝塚)順調なローテションを歩んだのに対し、グローリーヴェイズはまさにぶっつけ本番、そこが大きな違いですね。しかし、ディープ産駒は間隔をあけて使うのが意外といい結果を生んでいますし、一度あのように覚醒した馬は、何戦かは覚醒状態が続くことが多いので、期待はします。

覚醒度が凄いのが、やはりハーツクライ産駒ですね。特にジャスタウェイリスグラシュー。ハーツ産駒は、殆どの馬が顔に白い流星が出ており、父親の遺伝力の強さを示しています、というか遺伝が強すぎますね。ディープ産駒の顔はそんなに画一ではありませんし、母馬のいいところが出る馬が多いと思います(牡馬の成長力がないのが大きな弱点ですが。。)。ハーツ自身も4歳の後半から覚醒した馬であることからか、3歳のクラシックで活躍する馬は本当に少ない。だけど、覚醒するとその確変度合が半端ではないところもそっくりですね。まさに大器晩成を地で行くような確変ぶりで、そういう馬は元々すごく好きなのですが、なぜかハーツ産駒は好きになれません(笑)。ディープに国内唯一土をつけた馬の子供だからなのか、ディープ産駒がなかなか勝てない古馬G1をあっさり勝つハーツ産駒に対するひがみなのか。。ただ、馬主の立場からみると、そういう国内・海外G1で敵なしの古馬が出てくる可能性というロマンはあるものの、成長が遅い(3歳G1では歯が立たない)というのが問題かと。やはり馬主にとってはダービー制覇が最大の夢かと思う所、それを実現してくれる可能性が圧倒的に高いディープ産駒を、高額でも求める馬主さん達の気持ちはよくわかります。

とにかく、覚醒したといえるほどの古馬が出ていないディープ産駒で初の覚醒馬となるか、その意味でグローリーヴェイズに注目・期待しています。