天皇賞(春)ディープボンドは2年連続2着

とは言っても、勝ち馬から大きく離された7馬身差の2着でした。タイトルホルダーが強すぎました。本当にこの馬は型にはまる(=逃げる)と絶対的に強いし、長距離のスタミナが半端ではないですね。直線入口の手ごたえの違いで白旗でした。キンカメの子は結局春天菊花賞共勝てませんでしたが、ドゥラメンテはエアグルーブ(トニービン)の血が入っているせいか、距離は関係ないようです。

ディープボンドは残念でした。最外枠でしたがスタートから先行してすっと内に入れ、和田騎手はベストの競馬をしたのではないかと思います。敢えていえば、もう少し早くタイトルホルダーを捕まえにいってもよかったかもしれませんが、この結果を見ると、どちらにしろ勝てなかったでしょう。最後の直線でテーオーロイヤルが内に外にフラフラしており、追い出しのタイミングが少し遅れましたが、それでも2着は確保しました。もう一歩のところで(今回は離され過ぎましたが)G1に手が届かないボンド。今日はもっと馬場が渋っていればボンドには有利だったかもしれませんが、阪神競馬場は良馬場でした。何とかG1をとらせてあげたいものです。次は宝塚記念でしょうか。また強豪が出てきますが、今日の疲れが早くとれて、次走もボンドらしい走りをみせてほしいものです。

昨日の青葉賞(G2)は、ディープ産駒のワンツーでした。特に勝ったプラダリアはいい馬ですね。小柄ですがディープ産駒らしくキレがあり、道中もかかることなく素直な感じの良い走りをします。今年の3歳牡馬のレベルであれば、ダービーもいい勝負になるのではないかと期待をします。何せ、皐月賞のキラーアビリティが超残念な結果(13着)に終わってしまいましたので、今年のディープ産駒のダービー5連覇には黄信号がともっていますが、プラダリアには少し期待しましょう。キラーの結果は残念すぎてノーコメントですが、もちろんキラーも、このままでは終わる馬ではないと思いますし、もしかすると巻き返しはあるかもしれません。しかし、さすがに皐月賞2ケタ着順から勝つまでは難しいだろうなと思いますので。

牝馬の方はさらに混戦ですので、パーソナルハイ(フローラS2着)とか今日のスイートピーSを勝ったウィンエクレールをはじめとするディープ牝馬にもチャンスはありそうです。しかしキズナ産駒は今年の3歳が寂しい限りです。特に牡馬の方はクラシックの有力馬がゼロの状態ではないでしょうか。どうしたキズナ!まだG1はアカイイトの1勝のみです。G12勝目は時間の問題とは思うものの、3世代目の大不振はちょっと気になります。それでもエピファネイヤよりは良い種牡馬成績なのですが、現在6位で後輩のドゥラメンテ(5位)にも差をつけられています。ディープ系の主力後継種牡馬として、コントレイル産駒が出てくるまではキズナに頑張ってもらわねばなりません。

 

 

 

 

 

 

 

川田上手い(スターズオンアース/プログノーシス)

桜花賞はウォーターナビレラ惜しかったです!スタートもよくすっと2番手につけ、かかることもなく直線へ。阪神の坂もよく伸びて「これはもらった」と思ったら突っ込んできたのがスターズオンアース!ハナ差の惜敗でした。シルバーステート産駒の初G1制覇かと一瞬夢をみましたが、いずれにしてもシルバーステートの種牡馬価値はまた上がるでしょうね。

しかしリプレイで見れば見るほど武豊騎手と川田騎手の追い方が全く異なりますね。豊騎手は本当にムチの連打に頼った追い方で、上下動が皆無です。スマートな騎乗スタイルという見方もあるものの、、ウォーターナビレラのように自分から走ってくれる馬には向いているかもしれませんが、ずぶい馬には全く合わないと思います。一方の川田騎手はムチは最低限しか使わず、ハミをつかって馬の首の上下運動で追わせるタイプ。やはりどう見ても、最後の追い比べでは川田騎手が乗る方が伸びるだろうなと思いますよ。普通に見ればウォーターナビレラが勝っていたレースで差し切るのですから、これはもう騎手の技量の差としか言いようがありません。もちろん豊騎手は道中の馬の制御などは抜群にうまいのですが、直線がとにかくダメですね。川田騎手は特に馬ごみに入れてさばいてくるのが本当にうまいです。時にはさばけなくて終わってしまうこともありますが、じっと我慢して道が開いたら強烈に追い出すあの騎乗。あれで、ラヴズオンリーユーのブリーダーズC(フィリーズ)も勝ちましたし、今日のスターズオンアースもしかり。一方で、昨日強い勝ち方をしたプログノーシスも川田騎乗でした。後方待機で、阪神内回り2,000Mの直線だけの競馬で、ムチはおそらく1発入れただけの快勝でした。着差は1馬身であるものの、最後1ハロンのラップが加速ラップになっていた(急坂のある阪神ではほぼ皆無)こと、上り3ハロンが断トツの33秒1だったこと(2位が33秒7、3位は大きく離れた34秒5)、更に全体のタイムも1分58秒3と先週の大阪杯よりコンマ1秒早かったことなど、3勝クラスでこれほど強い勝ち方をみせる馬はなかなかいません。ディープ産駒で、ディープインパクトに一番似た走りをしたような気さえします。それでも川田騎手のコメントは「道中、直線とも走りが出来ていない、まだまだ時間が必要」なのでちょっと驚きました。川田騎手のコメントはいつも非常に個性的なので、真意がわかりかねますが、この馬にかける期待が非常に大きいということなのでしょうか。確かにゲートではうるさかったし、道中も少しよれていたし、まだまだ子供っぽいということなのでしょうか。それであの走りであれば、やはり凄いと言えると思いますが。いずれにしてもそういうコメントだと、次はオープンかG3のレースでしょうか。同じ中内田厩舎のエスコーラと共に、このプログノーシスは昨年から非常に期待していました。大事に使うのもいいのですが、早く大きなレースで走るのを見たいですね。ディープ産駒、特に牡馬で、古馬になってから大成する馬というのは稀です。あえていえば海外G1を2勝したグローリーヴェイズでしょうか。しかしもっと、キタサンブラックのように無双のディープ牡馬が最後に出てきてほしいという願望があります。中内田厩舎の2頭はその可能性を秘めていると思いますが、ただ、エスコーラは、真偽は不明ですがネット競馬の掲示板によると、脚部不安で放牧に出ているようです。なかなかうまくいかないものですね。

来週は皐月賞です。キラーアビリティの快勝が見たいです。不安は屋根ですね(笑)。横山武史騎手、今日のナミュール(10着)を含め、3週連続G1で1番人気の馬をとばしてしまいましたので。しかし、ここまでやると、そろそろ運気も底から上昇に転じるのではないでしょうか。またキラーアビリティ自体、能力はものすごいので、誰が乗っても勝ち負けにはなると思います。昨日の阪神牝馬Sのアカイトリノムスメのように馬場入りしてから脚を痛める(競争除外)こともあるので、競馬に絶対は本当にありませんが、無事に本番を迎えてほしいものです。齊藤崇厩舎なら、やってくれるのではないでしょうか。

 

 

大阪杯はポタジェ!

2着もハナ差でレイパパレが残り、ディープ産駒のワンツーでした。今年から賞金額が急に上がり、1着賞金2億円と急に格が上がったこのレース。まあ、そうでもしないと今後有力馬が皆ドバイに行ってしまいますから、それの防止の意味もあろうかと思いますが、エフフォーリアへの泊付けになるだけかと危惧していました。しかし、エピファネイヤ産駒、この馬とデアリングタクトという凄い馬が2頭出たものの、全体的な種牡馬成績はさえない(現在ベスト10に入っていないし、勝馬率及びE.I.も非常に低い)こと、またデアリングタクトも明け4歳以降は1回も勝てず別馬のようになってしまったことから、エフフォーリアもここが試金石だとは思っていました。更に初の関西輸送ということで、そのあたりがどう影響するか、あたりに少しは期待(といっては申し訳ないが)していました。ただ、もう1頭モーリス産駒のジャックドールという強烈な逃げ馬もいるので、ディープ(系)産駒は今回は厳しいかもしれないとは思っていました。しかしジャックドールは白目がちな目つきがあまり好きではないですね。また、前走強烈な勝ち方をして中2週で相手も強化されるので、そこらもどうかとは思っていました。

レースは、やはりジャックドールが逃げるもアフリカンゴールドがマークして楽な逃げにさせなかったのが大きかったですね。レイパパレもいい感じで3番手につけました。非常に折り合っており、4角の手ごたえも非常によく、「お、今日はレイパパレか!」と気合が一気に入りました。そして直線、ジャックドールをレイパパレがとらえる!よし!そこに外からアリーヴォ!、ヒシイグアス! レイパパレ持ってくれと思った瞬間、グッと抜け出た青帽子のポタジェがゴール!リアルタイムでは、ゴールでやっとわかりました。直線ではずっとレイパパレだけ見ていたので。アリーヴォに差されたようにみえたそのレイパパレが実は残っていて2着で、予想もしないディープ産駒ワンツーの結果に歓喜しました!

それにしてもポタジェお見事でした。リプレイで見直すと道中は好位のインを折り合って進み(この馬はかかるところが全くない)、4コーナーでもレイパパレの後ろでいい手ごたえでした。そして直線、すっとレイパパレの外に出せたのも展開が本当にはまりました。なかなかスパッときれる馬ではないですが、実にしぶとい差し脚。坂を上がって、アリーヴォが迫ってきてからもう1回ぐいっと伸びてクビ差の勝利。本当に相手なりによく走る馬で、今まで掲示板を外したのは昨年の天皇賞秋の6着だけという超堅実な馬でしたが、爆発的な末脚がないのでG1では一息かなと思っていました。ただ、今年初戦のAJC杯は直線包まれてしまい(5着)完全に脚を余して負けた感じでしたし、金鯱賞(4着)も後方からの競馬になってしまいましたが上り3ハロンは断トツで最速でしたので、馬券内の期待はありましたが、まさかエフフォーリア、ジャックドールの2強と言われている中で勝つとまでは思いませんでした。展開がむいたとはいえ、吉田隼人騎手もそつない騎乗だったと思います。直線はインタビューで彼が言っていた通り「きれいな追い方ではなかった」ですが、坂の前で一瞬ポタジェの呼吸をととのえるようにして、そこからまた追い出したように見えたのですが、見間違いでしょうか。あれで馬がぐっと伸びたようにもみえたのですが、もしそうだとしたら、同騎手のファインプレーかもしれません。考えてみると半姉はあのルージュバックだったのですね。血統的な裏付けもあったわけですが、ディープにかわってしかも古馬の牡馬でG1が勝てて、よかったです。

レースとしては前半が58秒8、後半が59秒6と、前半が早かったわりには上りも速く、きつい競馬だったと思います。ジャックドールをアフリカンゴールドがしっかりと、常に1馬身以内で体を併せてマークしたので、ジャックドールにとっては息のつけないとりわけきつい競馬になったと思いますが、それでも5着に粘ったジャックドールは、これはこれで強かったと思います。しかし、このようなハイペースにもかかわらずポタジェ、レイパパレともに前残りで粘ったのですから、大したものですし、これでは後ろから来た馬はかないません。レイパパレは、昨年の激走が(重馬場による)フロックではなかったことを証明した、素晴らしい走りでした。そしてアリーヴォも、道中はエフフォーリアの後ろで競馬を進めながら、4コーナーから内の進路がぽっかり空いて、外を回ったエフフォーリアに直線入口で既に大きく差をつけました。このコーナーワークは武豊騎手のナイス判断でしたが、そこからもう1段伸びてくるのですから、この馬もなかなか強いですね。ドゥラメンテ産駒本当に侮れずです。

それにしてもエフフォーリアは思った以上の惨敗(9着)でした。道中は思ったより後ろ目でしめしめと思いつつも、どうせ最後は伸びてくるんだろうなと思っていましたが、直線で全く視界にも入ってきませんでした。この敗戦をどう見るか、ですね。脚でも痛めていたのか、体調が悪かったのか、初の関西遠征で調子を崩したか、はたまたレース展開が全く不向きだったか。私の勝手な推測としては、これはエピファネイヤの血の限界(やはり大レースではディープが強い!)に加え、母の父のハーツクライの血のせいかもしれません。つまりハーツの血は、勢いがつくと物凄い結果を出し、どんな馬にも負けないような“無双”の結果を出しますが、そのような無双の期間は1年未満です。ハーツ自身も、暮れの有馬ではディープさえ倒し、翌春のドバイシーマCも圧勝でしたが、翌年秋以降は衰退。ジャスタウェイも無双の期間は天皇賞秋から翌春の安田記念まで。リスグラシューも宝塚から有馬まで無双を続け、一番いい時に引退しましたが、約半年の無双期間(矢作師が一番うまくやりましたね)。エフフォーリアも、昨年はコントレイルまで破る無双状態でしたが、今年はどうでしょうか。私のようなハーツの血のセオリーが真であれば、もうG1では勝てないかもしれません。そのそもこの馬、あまりにも出来過ぎでした。また超一流馬としては馬体が大きすぎます。とはいってもキタサンブラックのように最後まで勝ちまくった巨漢馬もいるので油断はできませんが、この先の道は意外と険しいかもしれません。遠征してシーマCを勝ったシャフリヤールとこれほど明暗を分ける結果になるとはさすがに思いませんでしたが。。横山武史騎手もショックのことでしょうが、このショックを引きずらないでほしいものです。というのは、皐月賞のキラーアビリティが控えていますから!父親よりは優れた技量を持つ騎手と信じていますので、キラーは武史に任せた、冷静にキラーの力を引き出してくれ、と願うばかりです。

 

 

 

 

 

 

 

シャフリヤールがドバイシーマC制覇!(ドバイは日本馬が席巻)

メインのワールドカップ(ダート2,000M)に比べると賞金は下がりますが、それでも1着賞金3.48百万$(約4億1千万円)という芝レースでは世界最高レベルのレースであり、日本馬にとっては実質的に最高の栄誉といえるのがこのシーマクラシック(2,410M)。過去ステイゴールド(2001年)がG2時代に、G1昇格以降はハーツクライ(2006年)、ジェンティルドンナ(2014年)しか勝っていません。今回そのレースをシャフリヤールが8年振りに勝ってくれました。レースとしてはきわめてシンプルなレースで、オーソリティ(3着)の逃げを最内の2、3番手で進み、直線は前がパカっと空いて、前のオーソリティを交わし、外から猛追する人気のユビアー(ゴドルフィン)をクビ差抑えての優勝でした。Cデムーロらしい、ロスも隙も全く無い会心の騎乗でもありましたし、前述の通り展開にも恵まれましたが、クラシックディスタンスの2,400Mでこのようにしっかり勝ち切るのは容易ではありません。パドックでも比較的小柄ながら馬体が黒光りしてバネを感じる馬体でひときわよく見えました。英語ではシャリアー(Shahryar)と発音するのですが、ペルシャ語アラビア語に近い?)で偉大なる王との意味とのこと。そして母親はドバイマジェスティ。まるでドバイで勝つために生まれてきたような馬ですが、この馬が勝って地元の人は(ゴドルフィン関係者以外は)喜んでいるかもしれません(笑)。日本ダービー馬であるディープ牡馬が4歳にしてこのレースを勝ったという事に大きな意義を感じます。次走はどこに行くのかわかりませんが、あと1つ2つはG1をとってくれそうな感じもします、来年も5歳でシーマCに出られますし。ディープ産駒らしからぬスタミナの持ち主ですが、逆に言えばディープの良い所を最も体現している馬の1頭かもしれません。いつも僅差の勝利なので、ハラハラさせられますが、そこは全兄のアルアインと似ていますね(体つきは大分違いますが)。ただ一つ思うのは、いつも言いますが、本当にこの馬にメンコが必要なのかということです。藤原厩舎の必須アイテムなので、今更外せと言っても絶対に外さないでしょうが、超一流馬はメンコを付けないで走ります。ドバイのレース結果をみると、メンコ(H、Headの略か)やブリンカーなどを付けて走る馬は注記されています。それらはやはりハンデをもらっているようなものですし、走っている馬の素顔こそが美しいので、素顔をみせてこそ本当にファンもつくというものです。藤原厩舎はターフ(1,800M)でもヴァンドギャルドがあわや勝つかの猛追で3着に来ましたし、馬の仕上げは素晴らしいと思うのですが、「常にメンコ着用」は考え直さないと、チャンピオン調教師にはなれないと思います。その点は、今回の勝ち馬3頭ともメンコ無で臨んだ矢作厩舎を見習うべきです。

その矢作厩舎、昨日は大ブレークしました。まずはゴドルフィンマイル(G2ダート1,600M、1着賞金58万$)のバスラットレオン。ゲートの出は今一つでしたが、スタートダッシュでカバーして先手をとり、そのまま直線でも手ごたえよく、逃げ切ってしまいました。2着とは1馬身1/4でしたが、3着、4着にはそれぞれ3馬身半、4馬身の差をつけ、完勝といってよいでしょう。坂井瑠星騎手は、直線ムチを左右に持ち替えての追いと、ゴール後の投げキッスなど、まるで一流外人ジョッキーのようで実に格好良かったですね。一見キザですが、超真面目な瑠星騎手がやるとすごくはまっているのが面白い。長身でイケメンですので、外人のファンも増えたのではないでしょうか。英語でインタビューに応じてたのも素晴らしいです。瑠星騎手は私も一押しのジョッキーですね、今後の活躍が楽しみです。それにしても、バスラットレオンの復活は嬉しい限りです。NHKマイルでの落馬以降リズムの合わない競馬が続いていましたが、海外のしかもダートで復活するとは。おそらくダート向きだと適性を判断して出したのでしょう、矢作師の選択にはいつも敬服します。そしてキズナ産駒の海外での強さもあります。まだG1は勝っていないものの、先日のソングラインと昨年のディープボンドに次いで3勝目。海外で活躍した馬の子は海外で活躍するのは、血の成せる不思議な技ですね。

そして次のゴールドカップ(G2芝3,200M、1着賞金58万$)のステイフーリッシュ。前回のサウジでのレッドシーターフHも60kgを背負って4馬身差の逃げ切りは驚きでしたが、今回は更に驚きました。今回はハナをゴドルフィンの馬が奪い、内の好位で進めたものの道中ライバルのマノーボ(ゴドルフィンビュイック)に外からぶつけられ寄せられ、あわやラチにぶつけられるかと思いました。マノーボ、えらく行儀の悪い馬でしたが、まさかわざとではないでしょうね。どうもゴドルフィンの挟み撃ちに見えましたので。。とにかく、あれほどの不利を受ければ走る気をなくしてもおかしくないのですが、その後もルメールはじっと内で淡々と進めました。直線は前が開くのを待って抜け出しますがマノーボが再び迫り一度抜かれ、「ああやられたか」と思ったのもつかの間、内から抜き返し半馬身先着してのゴール。なんというタフさと根性でしょう。ルメールの冷静沈着な騎乗も光りましたが、馬に真の実力がないと、長距離でこのレースはできないでしょう。逃げなくても、先行でも勝てるようになりました。父ステイゴールドと同じく7歳での完全本格化。しかしこの血の開花を呼び起こした矢作マジックは本当に素晴らしいですね!海外の3,000M以上で2連勝となると、次はどこへ行くのか、とても楽しみです。天皇賞春はローテ的に無理でしょうか、いずれにしてもディープボンドの邪魔をしてほしくないなあ(笑)。矢作師はインタビューで、個人的希望としてはロイヤルアスコットゴールドカップ(G1、4,000M)に行きたいと言っていました。しかしこのレース、G1といっても賞金が非常に低いですね。1着賞金が多分3,000万円位ではないですか、日本のG3より低いです。欧州の落ちぶれを象徴するような額です。中々長距離となると使うレースが限られてくるとは思いますが、欧州にはいかなくてもよいのでは、行くならそれこそ賞金の高い凱旋門賞でも狙ってみたらと思います。ステゴの子ですから、オルフェーヴルのように重い馬場でも走ってしまうかもしれません。完全本格化した今なら、クラシックディスタンスでも走るのではないかと思わせます。暮れの香港ヴァーズを最終目標にでもして、あと何走か本格化した彼の走りを楽しみたいです。そしてステゴの正当な後継種牡馬になってほしいですね。

ターフ(G11,800M、1着賞金2.9百万$)もパンサラッサが1着同着で逃げ切り勝利。中山記念のように大きく離して逃げず、ため逃げのように見えましたので、これで直線持つかなとハラハラしてみていましたが、なんのその最後までロードノース(1着同着)を抜かせませんでした。吉田豊騎手ナイス騎乗でした。その2頭に外から猛然と迫ったのがディープ産駒ヴァンドギャルド!ゴール板を過ぎた後は完全に抜いていましたが、ハナ差の3着でしたが、しかし日本では今一つのこの馬ドバイに来ると大変身しますね。バルザローナもうまく乗ったと思いますが、この馬もシャフリヤールの単なる帯同馬ではない際立った走りをみせてくれました。今やすっかり矢作ファンの私ですが、ここはやはりディープに勝ってほしかったので惜しかったですが、日本馬1、3着なら上々の結果ですね。

メインのWCのチュウワウィザードもよく最後、断然人気のライフイズグッドを交わして川田騎手がよく3着に突っ込んできました。この馬も7歳馬なのによく走ります。キンカメ産駒はダートも本当に苦にせず、ここだけはディープ産駒のかなわない所です。

ちょっと残念だったのが、シーマCのグローリーヴェイズ。スミヨン騎乗がわかった時点で期待はしていませんでしたが、いいところなく8着に敗れました。香港ヴァーズは勝てても、やはりこのシ-マCはレベルが一段違ったということでしょうか。それだけにシャフリヤールの勝利はやはり格別ですが、グローリーヴェイズは引退して何とか種牡馬になってほしいです。メジロラモーヌの血を継ぐだけに、需要はあるはずですし、きっといい子を出すと信じています。

ディープ産駒が弥生賞7勝目(アスクビクターモア)

さあ、3月第1週の競馬で、早速重賞を勝ちました。久々で、今年ようやく2勝目ですが、これからがディープの季節ですよ!ディープ産駒は3歳春に大化けしますのでね。もっとも、それが楽しめるのが実質今年が最後なので、寂しいです。今年は3歳牝馬が弱い感じで、それもさびしいですね。チューリップ賞ハービンジャー産駒のナミュールが好調の武史騎手を背に強い勝ち方をした一方、ディープ牝馬は見せ場なし。孫たちの方が頑張りました。人気薄のピンハイ(ミッキーアイル)が2着、武豊騎手のウォーターナビレラ(シルバーステート)は5着。エピファのサークルオブライフは3着と案外でした。牝馬戦線は混戦ですね、これからまだなにか新星が出てきそうな予感もあります。ディープ系、頼みます!

 

さて弥生賞ですが、ディープインパクト記念と命名された通りに、ディープ産駒が大得意にしています。今日も、唯一の出走馬アスクビクターモアが勝利。クビ差とはいえ、先行抜け出しで比較的危なげない勝利でした。中山3戦3勝の巧者とのこと。しかし、ディープ産駒は全般的には中山は得意でないという印象が強いですし、現に皐月賞はダービー程は勝っていない(3勝)です。なのに、この弥生賞は7勝と勝ちまくっているのが不思議です。皐月賞に比べると少頭数で、前半もスローになりやすいので、ディープの決め手が活きやすいという事なのでしょうか。とにかくこの時期になってくるとブレークする産駒が多いという、血のなせる業でしょうか。

レース自体も、一番遅いハロンラップが12秒5とスローながら比較的緩みなく、残り800Mから11秒台の、わりときついレースだったと思います。昨年と比べると、総タイムもラップ(昨年はタイトルホルダーの逃げに明らかに有利な、13秒台もある息の入る流れで、しかも残り600Mのみの競馬)も今年が大分ハイレベルです。その流れを先行して4角馬なりで上がっていくのですから、中々能力は高い馬ですね。厩舎のコメントとして「馬体に未だ芯が入っておらずコンニャクのようになよなよしているのに、調教のタイムが思ったより出る」とありましたが、本格化が先であれば、楽しみです。ただ、クラシックでは(少なくとも春の2冠では)あまり期待はしていません。事前に2馬身差以上つけて勝っていない馬は、クラシック本番では勝てないのが普通ですから。それに、やはりキラーアビリティの実力は頭2つ3つ抜けていると思います。ドウデュース(2着)が大した事がないことが今日わかりましたし。確かにコーナーで被せられた展開上の不利はあったものの、直線は前が空いたので、あそこでズバっと出てこれなければ本物ではありません。豊騎手の追い方も本当に迫力がないですね。誰が乗っても走る馬なら、ムチ入れるだけで伸びますが、あの上下動が全くなく、腰が全く入っていない追い方では、ちょっと厳しいですね。まあこちらとしては、非ディープに豊騎手が乗ってくれると有り難いです。逆に、武史騎手はどんどんうまくなっていますし、追い方にも迫力があります。土曜日はナミュールだけでなく、条件特別のオールザワールド(キズナ)も上手く乗りました。

話をキラーアビリティのライバルに戻すと、やはり最大の脅威はイクイノックス(キタサンブラック)ですね。2戦とも勝ち方が強烈でしたので。しかもルメール鞍上ですし。ルメール対武史の対決となると楽しみですね。武史はとにかくハートが強そうなので、去年勝った(エフフォーリア)から今年は来ないだろう、とは言えそうにないのが、今回は心強いです。一方のイクイノックスは、東スポ杯から直行という異例のローテをとりました。しかも皐月賞が3戦目。これが吉と出るか凶と出るか。私は、5か月の休養は若馬にとっては難しいものがあるのではと思います。暮れの2歳G1からの直行はコントレイルなどいくつも成功例が出ていますが、11月からだと、どうでしょうか。それとも、陣営は皐月賞をダービーへのステップレースとしか考えていないのでしょうか。キラーアビリティもイクイノックスもノーザンの馬なので、もしかすると皐月賞はキラーで、ダービーはイクイノックスでとってやろうなどと考えているのか。。いずれにしても、2歳で強かった馬が3歳で急に萎むケースも多々あります。ハーツ産駒がその典型ですね。古馬になっての成長はあるものの、この3歳春は殆どダメですね。だから今日のドウデュースもそうだし、共同通信杯勝ちのダノンベルーガも、おそらく皐月賞はダメかと。ジャスタウェイ産駒のダノンザキッドも3歳になって萎みました。キタサンブラックの血の力が試されるところです。

1~2月の総括(サウジCデーは日本馬祭り)

年初の時期は大きなレースも無いし、馬場が良くないせいか例年ディープ産駒が不調の時期なので、何も書く気がおきません。どうせ殆ど誰も見ていないし、実質備忘録のブログなので、いいのですが、それにしてもディープ産駒、不調です。この2か月で重賞を勝ったのは日経新春杯のヨーホーレイクだけ。ハーツクライロードカナロアの産駒が重賞を勝ちまくっているのに比べ寂しい限りですが、この反動は必ず出るぞ、つまり来月以降にディープ(系)のブレークがあるぞ!と自身に言い聞かせ、じっと耐えています(笑)。ルメールだって、この2か月国内で重賞勝ちゼロだったのが、昨日のサウジCデーで何と4勝しましたから。いずれもG3とはいえ賞金のレベルからして実質G1ですので、1日でえらく稼いだものです。グリーンチャンネルで見ていましたが、いくら全て有力馬にのっているといっても、プレッシャーもある中での4勝というのは凄いとしかいいようがないです。まずはネオムターフカップ(2,100M、1着賞金90万$)でのオーソリティ。初めてかと思われる逃げをうち、直線も余裕で1馬身1/4差で振り切りました。やはりこの馬、左回りの中距離は本当によく走りますし、古馬になって強くなってきました。オフフェーヴルはとにかく凱旋門賞2年連続2着と、海外での強さが目立ちましたので、その子供も海外で強い(マルシュロレーヌも含め)のは納得です。しかし、このオーソリティをJCで楽に振り切ったコントレイルの強さがどれだけのものか、改めて思い知らされます。

次が1351ターフスプリント(1,351M、1着賞金90万$)という中途半端な短距離戦でのソングライン。こちらは先行抜け出しで、着差はクビですが堂々たる王道の勝ち方、強い勝ち方をみせてくれました。キズナ産駒なのでこれは嬉しかった!キズナ自身がニエル賞勝ち、凱旋門賞も4着と海外で実績を残したので、子供も海外に強いですね。ディープボンドもフォワ賞を勝ちましたし。海外に強いということは、環境の違いにも動じない、強いハートを持っているということでしょう。今年は未だ国内ではキズナ産駒の重賞勝ちはなく、3歳馬も低迷気味ですが、ソングラインがこの実質G1を勝ってくれて非常に嬉しいです。この馬も本当にサウスポーですね、左回りは必ず走る!これだと、ビクトリアマイル→安田記念路線でも主役をはれるでしょう。

以上の2頭はレース前から有力馬でしたから、嬉しかったですがそれほど驚きはしませんでした。しかし3レース目のレッドシーターフH(3,000M、1着賞金150万$)は驚きました。ステイフーリッシュはあくまでもマルシュロレーヌのお供に連れてきただけで、ここでは用なしだろうと思っていましたので。なぜかって、3歳春に京都新聞杯を勝って以来4年近く勝っていない馬でもう7歳馬、しかも昨夏の札幌記念では心房細動で競争中止した位ですから、その後も走っていましたけど、もう目はないだろうと思っていました。しかも、日本では菊花賞(11着)で1回しか走った事のない3,000M 以上を、しかも初の斤量60kgで走るというのですから、期待しろと言う方が無理では?しかも、G1昇格したサウジCは別格として、他のG3レースではこのレースだけ賞金が高く、日本で言えば天皇賞並みの1着賞金ですが、おそらくこれは長距離レースを比較的重視する英国勢(豪州も含めると英連邦勢)への忖度かと思っていました。今回も、昨年の愛セントレジャー(G1 2,800M)を勝ったソニーボーイリストンという馬など欧州長距離での実績馬が出ていましたので、かなり難しいだろうと思っていました。しかし矢作師の事前のコメント「(一番自信があるのは)ステイフーリッシュ」や、ルメールの「今回乗る馬の中で状態が一番いいのはステイフーリッシュ」を聞いていたので、少しは善戦するのかなあ、位で全く期待をせずに見ていました。スタートから行く馬がいないせいか、またルメール、ハナに立ちます。しかしかかるところは全くみせず、淡々とした逃げ。いつ捕まるかとみていましたが、直線に入っても他の馬がしごいているのにステイフーリッシュは楽な手ごたえで差は開くばかり。最後は4馬身1/4差。なんだこれは!すげえ!と、高笑いしてしまいました。あまりにも衝撃だったので笑ってしまったのですが、競馬をみていて最後に笑えるなんて、滅多にあることではありません。勝ちタイム3分6秒1は3,000Mとしては日本でも水準の時計と言えますので、日本の馬場に近い硬めの芝なのでしょう。そうであれば、確かに昨今、欧州馬はスピードにおいて日本馬に絶対的に劣りますので、ステイフーリッシュでも勝てた、という事なのでしょうか。しかしあの強烈な勝ち方は、それだけではないように思えました。要するに、7歳にして本格化(覚醒)した可能性があるという事です。普通では考えられませんが、なんせ父のステイゴールドが、7歳にしてドバイと香港と海外2勝し、大覚醒した馬であった事を思い出しました。しかし、フーリッシュはゴールドの実質的ラストクロップであり、もう7歳、ステゴ時代も静かに終焉を迎えると思っていたのですが。。そういえば今月の京都記念でも、同期のアフリカンゴールドが勝ちました。こちらも逃げ切りの重賞初勝利でしたね。この時は「ステゴ、しぶといな。ディープ産駒も見習えよ」位にしか思っていなかったのですが、まさかこちらも覚醒ではないでしょうね。。フーリッシュの次走はドバイ(G2のゴールドカップ 3,200M?)のようです。1か月後、また楽しみですね。ルメールが乗るようであれば、更に楽しみですが。ゴールドも、武豊騎手が乗ってから覚醒したような憶えもあります。やはり、自身が持っている素質プラス外部環境(騎手、厩舎)ですね。ゴールドも、あの池江泰郎厩舎でしたから。フーリッシュも、今をときめく矢作厩舎です。矢作厩舎は、リスグラシュー、ラヴズオンリーユーと既に2頭覚醒馬(名馬)を出していますが、このフーリッシュも覚醒3頭目となるか(今日の中山記念を逃げ切ったパンサラッサも矢作厩舎ですね、こちらも少し不気味)。ディープ関係ではないものの、スティゴールド系も実は嫌いではないので(その話をしだすとまた止まらなくなりますので後日にでも)、楽しみではあります。そんなこんなで、(オーソリティも含め)ステイゴールド系の血が世界で覚醒(?)するなど、やはり競馬は奥が深いです。

なお、メインのサウジCも深夜に生中継で見ましたが、マルシュロレーヌ残念でした。テーオーケインズは馬群にのまれて早くから後退してしまいましたが、マルシュは外目を走ってBCディスタフと同じような感じで上がっていくようにみえました。ところが直線でなぜかスミヨンが内に入れ、窮屈そうに走っていました。コーナーで外を回って、直線で内に入れるって、ありか??直線そのまま外でよかったのに!と思った人、多かったのでは。そもそも、なぜルメールでなくスミヨンに頼んだのでしょう?私はスミヨンよりルメールの方が圧倒的にうまいと思います。フランスではスミヨンの実績が上ですが、所詮欧州競馬なんて賞金が低く2流ですから(凱旋門賞など一部のアラブ・マネーが入ったレースは例外的)。まあ、そもそも矢作厩舎とルメールはあまり縁がなかったですから、今回の選択は仕方ないのかもしれません。少なくともフーリッシュは、ルメールに乗り続けてもらうと、面白いのですが。

 

 

 

 

 

 

 

ホープフルSはキラーアビリティが完勝

ホープフルSというのは興味深いレースで、2014年から中山2,000MでG2として始まり、2017年からG1昇格しましたが、今年を含めて全て勝ち馬は2着馬に1馬身1/4または1馬身1/2差をつけています。で、1・1/2馬身差をつけたのが2018年のサートルナーリアと2019年のコントレイル。どちらもその後直行した皐月賞を勝っています(コントレイルは3冠馬に)。今回のキラーアビリティは、1・1/2馬身差をつけた3頭目の馬になりましたので、縁起が良いです。小倉の未勝利7馬身差に比べるともの足りないと思うかもしれませんが、コントレイルだって東スポ杯の5馬身差からホープフルSは1・1/2馬身差でしたから、気にする事はないでしょう。それだけ、中山の2,000Mというのは、コース、距離とこの時期の芝の状態を考えると、2歳馬にはタフなレースなのでしょうね。その中で1・1/2馬身差をつけて勝てるのは、強い証拠なのでしょう。しかも、まだ8回目のホープフルですが、2分0秒6というレースレコードでした。2分0秒台がそもそも初めてです(コントレイルも2分1秒4)。直接の比較は難しいものの、1991年以降の阪神2,000MラジオNikkei(たんぱ)賞をみても、2分0秒台で走ったのはアグネスタキオン(2分0秒8)のみなので、それを含めても最速でした。ただ、タキオンは2着のジャングルポケットに2・1/2馬身差をつけ、3着はクロフネ、、超ハイレベルの年でしたが。。年毎の馬場の比較も難しいですし一概には言えませんが、今年のキラーアビリティの勝ちがかなりレベルが高い事は間違いないでしょう。ラップも、2ハロン目以降12秒2以内でおさめ、最後の2ハロンは11秒7-12秒4。コントレイルの2年前も似たような道中ラップですが、最後は11秒9-12秒5。直線の急坂を考えると、よどみない道中でも最後もよく走っていることがわかります。まあ、コントレイルは楽勝で福永騎手も確かムチは1発位しか入れていなかったので、追っていれば更に時計は出たとは思います。しかし今日のキラーアビリティも楽な勝ち方でした。いいスタートから好位をとれましたし、横山武騎手によると途中少しハミをかんだようですが、よく折り合っているようにみえました。3番手から4コーナーも楽に上がっていき、直線で武史騎手のムチも2~3発位で、楽勝と言ってもよいでしょう。ただ、パトロールビデオを見ると、最初右ムチで左によれ、次に左ムチに持ち替えて右によれていましたから、馬がちょっと若いですね。ムチが少ないのは、追いづらかった事もあるかもしれません。それでもあの勝ち方ですから、もっと体に芯がはいってくれば、どえらい強さになるのではないでしょうか。しかし武史騎手もムチの持ち替え見事です。勢いだけでなく、技術の裏付けもあるジョッキーですね。しかもレース後のインタビューがいつも若者らしからぬ非常に冷静で的確なコメントが多く、馬の事も良く把握していることがうかがえ、非常に将来が楽しみなジョッキーであります。全てにおいて父親よりも相当上のようです。

とにかく、今年は昨年のホープフルよりも大分レベルの高いレースをみせてくれましたが、2着も同じディープ産駒ジャスティンパレスで、ディープのワンツーとなり、結果ディープが2歳リーディングも逆転で仕留めました。これで全体のリーディングは10年連続10回目、2歳リーディングは2010年以来11回目(2015年のみダイワメジャーに譲り2位)と、驚異的な記録をまたのばしました。もっとも、今年の獲得賞金額は70億円に届かず、昨2020年は79億円だったので、約10億円減りました。贅沢なグチとはいえそこは残念ですが、是非来年は再び70億円を超え、サンデーサイレンス産駒の晩年にも負けないパフォーマンスをみせてほしいものです。まあ、キラーアビリティは順調であれば、皐月、ダービーの2冠はとるのではないでしょうか。心配なのは、今日メンコをしていたこと。クロノジェネシスもラウダシオンもメンコなしで出していた齊藤崇厩舎がメンコ付で出してくるとは、気性にかなり問題があるという事でしょう。本当の名馬にはメンコで走る馬はいないので、皐月賞では再びメンコを外して走れるように、成長してほしいものです。あと、前々走の未勝利2,000M→前走萩S1,800Mと一度距離を短縮してしまったこと。クラシックを前にしては、距離を伸ばしていくのが王道であり、短縮した馬は中々順調にはいきません。典型がサトノダイヤモンドきさらぎ賞で短縮、その後皐月、ダービーでは勝てず)でした。ディープは2,000M未満で走らせず、コントレイルも1,800M→2,000Mとステップアップしました。キラーも、前走の1,800Mは短すぎてとまどったのではないでしょうか。でも1,800Mで負けても2,000Mで、しかもG1で鮮やかに復活したので、そのような心配は杞憂と思いたいです。武史騎手も今日のインタビューで、「エフフォーリアも強かったがこの馬も強い」と同列で誉めていましたし、騎乗が決まった後調教には2週連続でのっていたようなので、相当ほれこんでいるのではないでしょうか。元々福永騎手が乗る予定だったらしいのが、ケガで回ってきたというのも運命なのでしょう。福永騎手でも上手く乗っていたと思いますが、武史騎手は単なる若武者ではなく、思慮深いテクニシャンでもあるので、是非乗り続けてほしいし、JCなどに出てきたらエフフォーリアと選択に迷うくらいの状況になってほしいと切に願います。

 

ところで2着のジャスティンパレス、またもCデムーロ!どこまでうまいのでしょうか、この騎手も!しかし直線で、ムチの度に大きく、キラー以上によれていたのがこの馬でした。それでも、武史騎手同様ムチを持ち替えてなんとか立て直しましたが、こちらは最初に大きく内によれてキラーの後ろにはいってしまったのが痛かったかもしれません。それでも2着に来るのだから、Cデムーロおそるべしですし、ジャスティンも強いのでしょう。対照的にコマンドラインはひどい競馬でした。スタートであおって後方からの競馬、最初の直線ではハーツ産駒のフィデルに何度もぶつけられ(川田さん、あれは故意??)、但しそれほどエキサイトはしていないようでしたが、あれが影響したのかしないのか、直線全く伸びませんでした。まあ、前走のサウジCはルメールの手腕で勝ったようなものでしたし、500キロ台の大型馬で、牡馬の育成が上手でない国枝厩舎ですので、信頼はしていませんでした。勿論ディープ産駒なので来てくれればそれなりに嬉しかったかもしれませんが、(少なくともこの距離では)キラーとの断然の実力差を見せつけられました。

とにかく、年の最後を素晴らしいディープ産駒のキラーアビリティが締めてくれて、良い年納めとなりました。