有馬記念: イクイノックスは凄いな。。

今年の菊花賞でガイアフォースが負けた時に、キタサンブラック産駒の底力に疑問を呈するようなコメントをしてしまいましたが、その後イクイノックスが天皇賞秋を怒涛の追い込みで勝ち、且つ今日の有馬記念も、外のまくりで2馬身半差の快勝と、強さをまざまざと見せつけてくれ、自分の見る目の無さを反省しています。イクイノックス、キタサンブラック産駒ということは、つまりディープの全兄ブラックタイドの孫ですので、ディープの親戚血統ですが、ディープの直孫どころか直子からも、有馬を今回のイクイノックスのように強い勝ち方をする産駒は出ていません。というか、ジェンティルドンナ3/4馬身差、サトノダイヤモンドクビ差の2勝だけです。ちなみにサトノ勝利の時の2着はキタサンブラックでしたが、古馬としてのキタサンは強すぎ、有馬以降サトノは影も踏めませんでした。やはりこのキタサンの血が開花したと言えるのでしょうか。毛色は最近はやりの青鹿毛(コントレイルしかり)ですので曾祖父のサンデーサイレンスの影響か。しかし、母父がキングヘイローですので、その父、つまり曾祖父にダンシングブレーヴがいます。強烈な差し脚はダンシングブレーヴを確かに思い起こさせます。

木村厩舎ということで過小評価していましたが、この後イクイノックスはどうするのでしょうか。この勢いだとドバイシーマも圧勝するような気もしますが、気になるのは、エフフォーリア(今日は5着)のように燃え尽き症候群にならないかということでしょうか。血統が結構な近親配合(Haloの4×4、リファールの5×5×4)ですが、エフフォーリアもサンデーサイレンスの4×3だったので、こういった馬はそのような弊害が出てくる可能性があると思っています。ただ、エフフォーリアよりはイクイノックスの方が強いとは思いますが、いずれにしても古馬になってからは調教師の技能が問われます。というか、木村厩舎はNFの下僕であり実質NF厩舎といえるという噂も少なからずですが、その意味ではNFの腕の見せ所でしょう。しかし本来は牧場と厩舎が一体となってこそ力を発揮するもの。イクイノックスは今まで出来過ぎでしたが、今後どうなるか予断を許さないと、未だそう思っています。

それにしても、有馬記念は底力のある馬が勝つレースであると思っており、それを3歳馬であるイクイノックスがこれほど鮮やかに勝つとは、ディープファンにとってはうらやましい限りです。輝かしい種牡馬成績を残したディープですが、本当に底力のある牡馬を出せなかったのは残念ですね。コントレイルだけは例外で、底力を感じる馬でしたが(大事をとって有馬は使いませんでしたが)。また来年も実質最後のディープ世代である現3歳馬が活躍してくれる可能性はありますが、これまでの経緯からすると、古馬での(特に牡馬の)活躍があまり期待できないのかもしれません。アスクビクターモアには取り敢えず春天を期待したいですし、今日7着に負けたジャスティンパレス、中日新聞杯で復活勝利したキラーアビリティあたりにも中距離路線で期待はします。だけどあまり過度な期待は禁物かもしれません。アスクビクターモアが、現3歳のディープ産駒の中では一番底力がありそうな馬だとは感じていますが。

来年2023年のリーディングサイヤーも気になります。ディープが今年も首位を守ったもののかなり失速したこと、来年は3歳馬の数が少なすぎて全く期待できないことから、来年は首位を譲るかもしれませんね。譲るとなると、ロードカナロアドゥラメンテあたりのキンカメ系でしょうか。カナロアもなんだか最近さえないですが。キズナにも期待したいのですが、牡馬特に3歳牡馬が全くダメなので、なかなか難しい感じもします。コントレイル産駒が来るまでは、ディープ(系)がキンカメ系に天下を数年譲るかもしれません。

今日の有馬、2着はボルドグフーシュで3歳馬のワンツー、そして3着がジェンティルドンナの娘ジェラルディーナ。一応ディープの孫が3着に入ってはくれました。ボルドグフーシュとジェラルディーナは共にスタートが良くなかったのですが、腹をくくって後方待機が功を奏したようです。本当はジャスティンパレスにボルドグの競馬をしてほしかったのですが、好位の内を進んだものの結局内に入ったままで外に出られず、少し残念な負け方でした。ディープ産駒の底力が出てしまったのかもしれませんが、来年の捲土重来を期待したいです。ディープボンド(8着)も残念でした。大外枠は可哀そうでしたが、この馬の常道である好位追走から4コーナーではタイトルホルダーをつぶしにかかる川田騎手のナイスチャレンジだったとは思います。タイトルホルダーも今年日本で初の敗戦(9着)でした。この両馬は凱旋門賞からの直行ということで、疲れがとれていなかったのか、日本と全く違う馬場で走ったことでの違和感のようなものもあったのか。。ディープボンドは来年も走るのでしょうか。確かにG1未勝利(2着3回)なので、種牡馬になるには、G1勝利が必要でしょうかね。キズナ産駒は牡馬が本当に不作で、後継となりそうなのは今の所この馬くらいですね。その意味では、多分来年も走るのでしょう。今日の走りを見ていると、ピークを過ぎた感もありますが、長距離では未だ強い所をみせてくれるでしょうか。走るとしたら、来年の春天がまた目標でしょうね。未完の大器で終わらないよう、ボンドが最後に花を咲かせることを願っています。