ジャパンカップ: シャフリヤールは惜しい2着!

去年のJCはコントレイルが引退レースで快勝し花道を飾りましたが、あれから早くも1年、早いものです。今年から1着賞金が4億円に上がり(昨年は3億円)、その為か外国馬も若干多めの参戦でしたが、やはり1~5着は日本馬で占められました。順番は違えども1~5番人気馬が5着までに入ったので、概して順当な結果ですね。ファンのみる目は(下手な評論家や馬の専門家と称する連中よりも)こえているものです。

 

今年はディープ産駒がシャフリヤール1頭、キズナ産駒などディープ系もゼロと私にとってはさびしいかぎり。かつ日本馬でG1勝ち馬が3頭のみ(シャフリ以外ではユーバーレーベンとデアリングタクトの牝馬2頭のみ)と随分寂しい顔ぶれでした。こんなに賞金が高いレースなのに不思議なものですが、シャフリに勝ってくれといわんばかりのメンバーだなと期待はしていました。シャフリは15番枠と外目でしたが、スタートも難なく決めてダノンベルーガの後ろの外目を追走。道中後方にポジションを落としましたが、3コーナーすぎからまた上がっていきました。直線は大外に出さず、馬群を割るように伸びてきました。この辺は、この馬の競って強い闘争心を生かした騎乗なのでしょう、Cデムーロ素晴らしかったと思います。じわじわと1頭1頭かわし、ダノンベルーガを交わした所で勝ったかと思い、思わず叫びましたが、その内からするすると伸びてきたRムーアのヴェラアズールにゴール前で交わされてしまいました!惜しい2着!G13勝目を逃し大変残念でしたが、王道の競馬をしたのではないでしょうか。最後の100M位で内側に斜行しダノンベルーガの進路を狭めたということで、Cデムーロは2週間騎乗禁止をくらいました。ちょっと行儀の悪さをみせてしまったのは残念でしたが、但し、レース動画を見返すと、斜行したのはダノンを交わしてからでした。なので、斜行してもしなくても、ダノンが先着したことはなかったと思います。とはいっても川田騎手が思いっきり手綱を引いていたので、迷惑をかけたことはあきらかで、申し訳なかったですね。。別にシャフリに出資している訳ではないのですが、ディープファンとして。。

 

しかしヴェラアズールは強かったです。上がり馬で京都大賞典はよい勝ちっぷりでしたが、エイシンフラッシュ産駒ということで軽視しておりました。考えてみれば、エイシンフラッシュは藤原英厩舎でしたね。藤原師としては悔しいでしょうが、エイシンの子にやられたなら少しはなぐさめになるかな。ヴェルトライゼンテも内でえらい粘り腰でした。4着のデアリングタクトも一昨年のJCをほうふつとする脚で突っ込んできてヒヤッとしました。結局1~4着が外国人騎手で5着のダノンがはじめて日本人の川田騎手。ダノンは怖かったものの、多分来ないだろうとは思っていました。理由は「ダノン」だから。ダノンの馬は、時々G1は勝ちますが、マイルでの活躍が殆どで、何故かクラシックやJCなどのこういったビッグレースでは本当にこないですね。スーパーホースにまで大成する馬もいないです。あれだけ金をかけてすごい血統馬を数多く持っているのに、「持っていない」馬主としか言いようがないと私は思っていますが、そういうのはなぜか不思議とありますね。

 

シャフリは天皇賞(秋)5着で評価を落としていたようですが、やはり2,400Mだと非常に強い競馬をしますね。予想家で本命印打った人は少なかったものの、それを笑うかのような走りでした。全兄のアルアインは2,000MでG12勝、こちらは2,400Mで2勝と、兄弟でも違うものですが、兄弟そろってこれだけ実績を上げるのも珍しいというかすごい血統です。シャフリは次走はどうするのでしょうか。既にビッグなG1を2勝しているので種牡馬入りするかもしれませんが、出来れば来年5歳でも走って、ドバイシーマ連覇ができれば最高ですが。暮れの有馬は、多分いかないでしょうか。古馬になると尻すぼみになるディープ牡馬が多い中で、この馬は更なる成長があるかもしれません。いつも圧勝はないですが、2,400Mなら無類の勝負根性で常に勝ち負けに持ちこめそうです。来年走るなら、今度こそ2,400M以上に絞って走らせてほしいものです。

 

菊花賞後にディープ産駒は重賞勝ちさえなかったので更新しませんでしたが(なんと勝手な)、エリザベス女王杯でのジェラルディーナ勝利は嬉しかったです。父モーリスとはいえ、ジェンティルドンナの子からG1馬誕生ですからね。母父ディープ馬の活躍は今一つですが、これで少し弾みがつくかな。それにしても今日のヴェラアズールの母父はクロフネなのですね。クロフネの直子は2,000M以上のG1勝ちたしかないと思いますが、母父だと関係ないようです。秋華賞(2,000M)勝ちのスタニングローズもそうでした。そういえば、キタサンブラックの母父がサクラバクシンオーでしたし。それにしてもクロフネというのは母父でもいい子を出す、やはり大した馬です。この馬も金子さんの馬。ダノンとは逆に、金子さんは究極の「持ってる」馬主ですね。