スノーフォール、英愛オークス共に圧勝

最近の日本競馬は夏休みのようなもので殆ど書く気もしませんが、ただ今日(7/25(日))の新潟10R糸魚川特別(2勝クラス1,800M)のランドオブリバティの勝利は嬉しかったです。ホープフルS大暴走の後は勝利から見離されていましたが、今日はさすがデムーロと思いました。スローな流れを逃げた馬の2番手で折り合い、長い直線を馬なりで先頭に立ち、ソラを使った時に多少手綱をしごいた位で結局ムチは使わなかったようです。ですから1/2馬身差での勝利でも、実質楽勝と見えました。難しい馬を完璧にエスコートしていました。本当はスプリングSでデムさんに乗り替わるはずが騎乗停止か何かで実現しませんでしたが、なんせあのドゥラメンテを乗りこなした騎手ですから、この馬には絶対デムさんがいいとかなり前から私は思っていました。やはりいい馬にいい騎手をつけることは、本当に大事ですね。まあ条件戦では確かにレベルが違いすぎるので、重賞戦線で今後どうかですが、とにかくもあのように暴走してしまった馬の復活は極めて難しいと思っており期待していなかったので、うれしい誤算ではあります。

 

今回の本題は、タイトル通りスノーフォール。アイリッシュオークス、G1といっても賞金は日本のG3レベルですし、英語のツイート等みていると確かに他の馬のレベルは高くなかった模様ですが、それにしてもまたもや圧勝ですから、凄いものです。今回はムーア騎手騎乗でしたが、道中は中段の内でじっと我慢し、直線出られるかなと思ってみていたら前がぱかっと開き、エンジン全開になったのが大体残り2ハロン。他馬を離しながらも斜め横のスタンドの方を向いて走っており、ソラをつかっていたためかムーアの肩ムチ1発入りましたが、ムチはそれだけで、後は後ろで必死に追う馬たちをしり目に、愛オークス過去100年で最大の着差だという8.5馬身差でした。2ハロンで、ソラをつかいながら8.5馬身差をつけるのですから、有り得ない強さです。前回の16馬身差にも驚きましたが、前回は差がつきやすい道悪馬場だったので、良馬場でどうかと思いましたが、今回は良馬場でも同じような瞬発力。。飛ぶような走りはまさにディープ。本当に欧州の馬場を走っているのかと思わせるような走りでした。レース後のオブライエン師のコメントを見ると「前回の(オークス時の)馬場が合うか心配だったんだ。硬い馬場の方が合っていると思っていた」そうです。硬い馬場といっても、2,400Mで2分34秒かかる馬場ですので、日本とは全然違うと思いますが。。

しかし、やはりムーア騎手の騎乗は本当にみていてほれぼれしますね。道中の我慢と、直線の追い方。ムチは使わないが、しっかり追う。まるで一昨年の東スポ杯でのコントレイルの騎乗を見ているようです。コントレイルも、あそこでムーアが乗ったからこそ、びしっとしまって後日あれだけ走ったのかもしれません。

スノーフォールも、2歳時の昨年は7戦1勝と、戦績だけ見ると全くさえない馬でした。まあマイル以内の短距離ばかり走っていたのもあったでしょうが、騎手も合わなかったかもしれません。今年初戦(5月のG3)でムーアが初めて乗ったらいきなり快勝。このレースも動画見ましたが、逃げてぴったり折り合い、直線ではびっしり追って3馬身半差の快勝でした。2戦目のオークスデットーリでしたが、デットーリはただ馬につかまっていただけ(それでいて16馬身差)のようにもみえました。距離延長とムーアの騎乗で、馬が開花したのかもしれません。元々ディープ産駒は3歳春に急成長しますから、それとのタイミングもぴったりだったのでしょうか。

それにしても、英、愛オークスの連勝はあのエネイブル以来との事ですが、両レース共エネイブルよりはるかに強い圧倒的な勝ち方をしているので、これは今後も期待が膨らみます。ちなみに昨日のキングジョージ(G1)をアダイヤーという英ダービー馬が勝ちまして、これもフランケル産駒で気性は悪そうですが強そうな馬です。しかし今の所凱旋門賞前売りオッズではスノーフォールが1番人気だそうです。俺たちの競馬が世界一と思っている欧州特に英国の奴らをギャフンと言わせてやりたいもんです、といってもアイルランド調教馬ですし、母の父はガリレオですから、純粋な日本馬とはいえませんが、なんせディープ産駒ですから!ムーアが本番まで乗り続けてくれれば、心強いのですが。次走は来月のヨークシャーオークスという古馬混合レースだそうで、これもまた楽しみです。スノーフォールの(ディープの)おかげで、日本競馬が夏枯れの時期でも楽しみが出てきました。それにしても、やはり牝馬の時代ですねえ。ディープの子でも、圧倒的な強さを見せるのはやはり牝馬ですか。牡馬にも頑張ってほしいのですが。ただ逆に言うと、ディープ牝馬古馬になっても強さをキープするケースが多い(ジェンティルドンナ、グランアレグリアをはじめ)ので、スノーフォールも今後しばらく活躍する可能性は十分にあると思います。