エリザベス女王杯は苦手のディープ牝馬だが

先週はディープ産駒の重賞連勝記録が、予想した通り7週で途切れてしまいました。しかし京王杯2歳Sで9番人気のロードマックスがクビ差2着に追い込んだのは惜しかった!あわやというシーンを見せてくれたのが救いでした。アルゼンチン共和国杯は毎年の事ながら散々な結果でした。2,400Mのダービーだとあれほど好成績なのに、100M伸びるだけで何故これほどひどいのか。。2,500mだと最初にも坂を上るから、それがきついという説もありますが、やはり年を経るとディープの長距離向きでない適性が出てしまうという可能性もありますし、成長力の問題かもしれません。

 

今日(11/14(土))、デイリー杯2歳S(G2)でレッドベルオーブが勝ってくれました。クビ差の辛勝でしたが、序盤に首をあげてひどくかかっていたことを考えると、直線での粘り腰はなかなかのものと思いました。レコード勝ちは馬場がいいのでおまけのようなものかもしれませんが、この時期に並みの馬ではマイルを1:32:4では走れないでしょうから。父ディープに母の父アンブライドルズソングはコントレイルと同じですね。青鹿毛の毛色もそっくりです。しかも今日は福永騎手まで同じ!勿論コントレイルとの比較はかわいそうすぎますが、この組合せ血統は益々注目されるでしょう。

 

しかし2歳種牡馬ランキングでも先週トップにたったディープが、またモーリス、ドゥラメンテ、エピファネイヤなど2番手グループを離しにかかり出しました。結局はディープですね。ロ-ドカナロアや、昨年旋風を巻き起こしたハーツクライは低迷しています。やはりモーリスやドゥラメンテも含め、血の底力が弱いのでしょうか。昨年もそう思っていたエピファネイヤから突如デアリングタクトが出てきましたし、未だわかりませんが、やはり種牡馬の力を測る指標として重要な勝ち馬率、E.I.をみると、残念ながらディープと比較すべき大種牡馬は出てくる気配がありません。まあ、サンデーサイレンスとディープが凄すぎた(キンカメも大種牡馬とは思います)、という事かもしれませんが。。ただ、個人的に今一番気になるのは、今年のキズナ2歳産駒がまだ2勝目をあげていないことです。時が解決する問題とはいえ、少し残念です。重賞では掲示板には結構来ているのですが、今日のデイリー杯のスーパーホープ(3着)を含め。

 

明日のエリザベス女王杯牝馬G1の中でディープが最も苦にしています。いままでの勝者はラキシスマリアライトだけ。この2頭とも中距離を得意にしてきた馬でした。ラキシスは生涯2,000Mと2,200Mしか勝ちがありませんでした。マリアライトも重賞勝ちは2,200Mのみ(エリザベスと宝塚記念)、あとは殆ど2,000M以上の勝ちで、唯一3歳時に勝った1,800Mは重馬場でのもの。つまり2頭ともスタミナに優れたディープ牝馬だったわけで、そのような馬でないとディープは来ない気がします。馬場は京都から阪神に変わりますが阪神2,200Mはもっとスタミナ色が濃い馬場ではないでしょうか。

 

そこで今年の出走ディープ牝馬7頭を見ますと、スタミナ系と思われるのはソフトフルートとセンチュリオ。共に2,000M以上でのみ勝っています。特にセンチュリオは前走牡馬混合G2のオールカマーを勝っており、本格化の兆しがあり最も注目です。ラヴズオンリーユーは、オークス以降の成績がさえず、早熟ではないかと思います。兄のリアルスティールが1,800Mのスペシャリストだったように、この馬も2,000M前後が適距離ではないかと。。サラキアも、前走はとても強かったものの、サリオスの姉であるという血統を考えても、2,000M以下がベストかもしれません。

 

勿論実績的には、本来は断然ラッキーライラックとノームコアですね。しかしオルフェーヴェルとハービンジャー産駒のワンツーでは個人的に面白くありません(笑)。両馬とも5歳秋でピークはすぎただろうという希望的観測と、ラッキーは大外枠が、ノームコアは距離がマイナスに働くことを希望します。ハービンジャー産駒は距離はOKのはずなのですが、考えてみると菊花賞天皇賞では良くないですね。2,000M~2,400M位がベストディスタンスなのでしょうか。ハーツクライと同じ傾向ですね。ノームコアは特に母父のクロフネの血が濃く出ているような気が、毛色だけでなく、します。2,200Mだと最後の切れ味が鈍るのではないかと期待しています(笑)。

 

ところで、コントレイルがJC出走を表明、12日に栗東に戻ったとのこと。矢作師は「完全に疲労は回復していた。すごい馬だ」と言っていたそうですが、本当ならば3,000Mであれだけの激走の後に、凄いですね。実際、アリストテレスは未だ放牧中のようで、その後消息を聞きません。ルドルフもディープも無敗3冠後の古馬との初戦は落としましたが、そのジンクスを破れるか。JCにはアーモンドアイも出走を表明し、他牝馬3冠のデアリングタクト、グローリーヴェイズ、サートルナーリアなど豪華な顔ぶれとなりそうです。しかし、豪華は豪華ですが、今回他のライバル馬には皆弱みがみえます。東京では圧倒的なパフォーマンスを見せているコントレイルが最有力なのは間違いなく、無事に走ってくれよという不安もありますが、非常に楽しみでもあります。